-
小集団活動を推進するためのVE手法
「高度成長時代から低成長時代へ」と,経済の構造的変動に伴い,企業は経営体質の強化を迫られている。このような状勢下にあって,VEの果している役割は大きく,より広範なVE活動の要望がなされている。この要望に応えるためには,企業内のVE活動を,さらに定着化し,普遍,発展させていく必要がある。当社では,その一環として,"利益の宝庫"である製造現場にVEを導入することにより,沈滞ムード気味の小集団活動をRe -
ソフトVEにおける問題点整理法への一考察
VEが,各企業に導入され,効率的戦略の一環として推進されるようになってから久しい。当社も,昭和43年にVEに着手して以来,「建設業におけるVEの適用」をテーマとしてとり組んできた。その中で,作業所において比較的短時間に行なうことができ,さらに,BETTER的改善を狙って開発された「3時間VE」に関しては,既に発表し,また,VE対象の選定方法,3時間VE会議の諸問題,VE会議から施工,完了までの手順 -
価値評価による機能別コスト目標の求め方
VEがわが国に導入されて以来,各企業において着実な成果を上げ,個別活動から企業経営方針に基づいた組織的な活動へと発展してきた。また,VE対象範囲においては購入部品のコストダウンを狙ったVE活動から,既製品を対象にした2nd Look VE,商品の構想決定時に実施する1st Look VE,商品企画時に実施する"0" Look VEへと,商品が生れる源へとさか上ったVE活動が積極的に展開されるように -
基本原理と機能系統図の関連及びその展開
本論文の主眼とするところは,次の3つである。ひとつは機能系統図についてである。VEでは機能系統図が,本来,非常に重要な役割を持っていると考えられるにもかかわらず,単に形式的なものにとどまったり,あるいは,せっかく時間をかけて作っても,後の代替案との結びつけが明確でないという現象が見受けられるが,これは機能系統図の作成の仕方に一因があると考えられる。VEにおける機能定義,機能整理のひとつの大きな目的 -
特性列挙法による機能分析
当社では,VE普及の一環として,主に中堅社員を対象に入門議座を開いている。過去数回の開催で百数十名の終了者を出している。この講座の指導を通して「機能分析」について苦労した。そこで,われわれは,過去何回かの経験を標準化して,機能分析の一手法として確立しようと努力して来た。例えば,根本氏の講演中ふれておられた「透明軸ボールペン」について,3~4時間としておられたのが,本手法を一通りマスターすれば,1~ -
創造的設計によるVE効率の向上 ~経験・知識・知恵の有効活用~
市場競争がますます緊迫すると共に,材料費・人件費等の高騰が続く現在,価値ある技術商品を開発するために,設計部門においては,今までにない創造的な設計が要求されている。それは,非常に優れた技術的なものから,使用材料を少なくしたり,生産性・サービス性の向上を狙った,ちょっとした工夫等諸々である。そのため,設計部門においては,日々,ユニークな,優れたアイデアの必要性が叫ばれ,グループによるアイデア会議や個 -
横断VAのアプローチ技法
昨今の企業をとりまく環境条件は,まさしく,戦後史に一時期を画し,経済混乱は,過去何回かの不況時とは,格段の違いを持った様相を呈している。この事は,もはや,かっての10%を越える高度成長の時代は終り,経済体制の転換を示していると言っても過言ではあるまい。高度成長時代に培われた感覚での判断は,非常に危険な常識となりつつある。当社における「VA倍増作戦」の展開も,こうした過去の高度成長時代の常識より脱し -
レイティング法による機能評価と価値改善
機能を科学的に,あるいは,合理的に評価することは容易なことではない。価値分析の場合,この機能評価は価値評価ということであり,価値分析の最初にして最後のテーマであろう。機能評価が意の如く行なえないのは,機能の多様性もさることながら,評価者の立場上の限界,あるいは制約があることを見逃してはならない。以下の論述は消費財について展開するが,一般的には商品の供給者(メーカーと考えよう)の立場から,機能の研究 -
工程改善へのVE手法の適用
工程改善への管理技術的アプローチとしては,QCやIEがふるくから適用され,大きな成果をあげていることは衆知のことである。しかしながら,工程改善へのVE手法によるアプローチに関しては,以前より叫ばれていながら,今日,まだこれといった成果事例が少ない。この背景としては,VE手法そのものの誕生が,製品の改善を主体としていることと,また,その後の発展の歴史をみても無理からぬことと考えられる。ところが,工程 -
機能定義についての考察 ~機能定義用語の実態調査を中心にして~
VEは,価値に関する問題解決の手法であり,その特徴は機能本位のアプローチである。それは,いかなる問題にたいしても,機能定義・機能評価・代替案作成の基本ステップを,組織的に展開する活動である。VEを製品の価値改善に適用する場合には,製品に要求される機能を,正確に定義することが必要である。2ND-LOOK VEの機能定義には,製品構成部品の機能定義と機能整理の2つの段階がある。この段階は,物本位の考え