今日、企業を取り巻く環境は、かつてないほどきびしい状況にある。その中で、各企業はリストラクチャーを盛んに行い、現状打破の課題解決をはかろうとしている。しかしながら、現状分析から入るアプローチでは、どうしても現状の延長線上の改善にしかならない。そこで、願望の実現こそ大切であるとの認識から、願望把握より入るアプローチが必要と考えた。
そこで、本論文では、VEの良さである機能的見方からの斬新な課題解決法を生かし、さらに上流の目的(広義の機能)から展開することで現状打破をはかろうとするものである。具体的には、従来のVE基本ジョブプランの前に方針把握ステップ(願望把握、目的把握、価値観創出、価値把握)を入れることにより、現状のレベルと比較し、飛躍的に改革された新しいレベルを創造するアプローチを確立した。
システム機器における価値評価の対象として、機能・性能や操作性と並んで整備が重要視されつつある。整備とは、整備員、補給支援、ツール、技術データなどの整備要素を統合したもので、稼働率の向上を図るのが狙いである。
ここでは、フライトシミュレータというシステム機器の整備を例にとり、VE基本式を構築するとともに、その整備価値を分析するため、パラメータを設定してケーススタディを行った。また、ライフサイクルコストからみた評価を試みた。
システム機器の整備価値とは何か。これまで注目されることの少なかった、こうした課題に対し、一つの考え方を示した。
半導体製造用生産設備は非常に高価なため、出来るだけ設備を休めずに、動かす時間の割合を大きくすべく使い方の工夫をして、一枚当たりのウエーハの償却費などを小さくする事が大切である。そのためには、設備の稼動率を出来るだけ大きくし、一枚当たりの処理時間を出来るだけ小さくすることが必要である。またライン全体の処理能力改善を出来るだけ時間的にも、経済的にも効率的に行うには改善の順序を決めることが必要である。
企業における課題/問題が大きく複雑になってくると,その解決のためには局面に応じて最も有効な手段/道具(管理技術)の選定が重要となってくる。しかしながら,道具は良くてもそれを使う人の技量が見合っていないと十分な効果をあげられない。要は,企業にとって手なれた道具を有効に活用して成果をあげることである。本論文は,新製品の企画段階においてQCとVEの特長を生かし,品質表と機能・方式を融合・展開し,企画した製品の価値評価の方法を提案するもので,特徴として次の点があげられる。
1) 機能の達成条件は品質表により企画する
2) 機能評価値は方式評価値(基本方式の品質特性達成度合い)とする
3) 価値評価は基本方式の設計品質総合評価値と方式コストにより行う
現在、十分な製品戦略、マーケテイング戦略下の合目的な製品コンセプトづくりなくして"ヒット製品"をうみだすことは困難である。そこで、本研究は製品コンセプトを「消費者サイドからみたNeeds(潜在欲求)を探求し、メーカーがこれらに応えるBenefit(機能・便益)を決定し、それに経営方針を加味して、製品に託した企業メッセージである」と考え、既存市場に既存技術及び改良技術で参入する新製品のコンセプトづくりを実用機能面から支援する新しい方法を提案するものである。その特徴は実用機能を機構・構造上の機能と使用・便宜上の機能に分類し、それぞれについて潜在欲求を明らかにし、さらにそれらの情報をまとめ、集約した表を考案しようとするものである。なお、本研究は「魅力機能による製品コンセプトの構築支援法」と一対となって補完しあい、総合的な製品コンセプトづくりの方法論を構成するものである。
商品開発段階からの0 Look、1st Look VE活動は、2nd Look VE活動に比べて大きな成果を得やすい。しかし、商品寿命の長い誘導電動機のような成熟製品においてはモデルチェンジのインターバルも長く、その間の収益維持確保のためにはどうしても2nd Lookを中心としたVE活動の強化が必要不可欠である。
一般的に2nd Look VEには、製品構成部品の形状や適用材料の変更などに多くの制約条件がついて、思うような成果が上がりにくいのが実態である。それをカバーするためには製品や構成部品の対象範囲をできるだけ広くとらえ、多くのアイディアを発想し、その中から真に効果のあるものをみつけだし優先度を明確にし、効率的な活動展開を図る必要がある。
本論文では、この2nd Look VE活動を効率良く推進するための「VEアイテム展開表」、「VEポートフォリオ」を考案したので、VEのー技法として提示する。
情報システムの開発に当たって、効率的な開発を行うための支援ツールは、沢山ある。
しかし、開発しようとする情報システムが本当に利用者にとって有効で価値があるかを事前に診断し、評価するツールはないと言っても過言でない。
そこで、VEの原点である「有効性」に的を絞り、開発の上流段階で価値ある情報システムを開発するための工夫を技法としてまとめた。
本件は、筆者の体験に基づき、「潜在ニーズの早期顕在化」及び「価値の診断と評価技法」を中心にV=N/Cなる評価式により、これらを定量化する考えを示すものである。
本技法により、お客様の予算内で有効で価値ある情報システムの開発を実現させようとするものである。
従来から魅力機能の定量化に関しては研究されてはいるものの製品コンセプトづくりとの関係で取り上げられたものは少ない。そこで、本研究は製品コンセプトを「消費者サイドからみたNeeds(潜在欲求)を探求し、メーカーがこれらに応えるBenefit(機能・便益)を決定し、それに経営方針を加味して、製品に託した企業メッセージである」と考え、既存市場に既存技術及び改良技術で参入する際の新製品のコンセプトづくりを魅力機能面から支援する新しい方法を提案するものである。その特徴は魅力機能を定量化して評価すると共に体系的に図示し、改善すべき魅力機能とその程度を明らかにし、さらにそれらの情報をまとめ、集約した表を考案しようとするものである。なお、本研究は「実用機能による製品コンセプトの構築支援法」と一対となって補完しあい、総合的な製品コンセプトづくりの方法論を構成するものである。
そもそも「地球の環境」は我々に対しての思恵そのものである。この思恵を今後も享受するために,我々が地球環境を良好な状態に保全・維持するのは当然の理りである。この当然の理りを『地球環境にやさしい(Environment-Friendly)』の言葉で表現したもので,昨今のマスコミを賑わすキーワードとなっている。
この当然の理り『地球環境にやさしい』が,企業の経営理念・個人の生活観念ばかりでなく,製品VA/VE活動にも要求されるのである。
この論文は,筆者が発案した新しい価値概念『トータル価値』による「地球環境にやさしい製品VA/VE活動」の基本的な考え方について述べるものである。
製造、使用システムでの化学原材料、中間体、製品の化学的変換を特徴とする材料製品の機能設計において、
製品の全体像を化学原材料を最初のインプットとし、使用者のアウトプットを最終アウトプットとする入出力モデルとして表現するMCダイアグラム(材料変換図)は、機能の設計解への変換(機能設計)及び製品の機能への変換(機能分析)を容易にする中間モデルとしても機能し、製品の全体~細部設計を創造的、効率的にする。
化学原材料、中間体、製品の機能、挙動、構造、特性の関連を関連図として表現するFBSダイアグラム(詳細機能関連図)は、製品の細部像を明確にし、製品の細部設計を創造的、効率的にする。
MC/FBSダイアグラムによる製品の全体像、細部像の明確な把握及び設計チームでの共有化により、材料製品の機能設計及び再設計をより創造的、効率的に行うことができる。