論文カテゴリー: マネジメントとVE 62件

最近の企業の置かれている立場,環境は,非常に厳しい。特に,その技術革新による商品ライフサイクルの短いこと,価格の低減が急速であり,創業者利潤をむさぼっていられないこと等,企業努力は並々ならぬものである。その中でも労働賃金の高騰に対し,利益を確保してゆくため原価低減には,企業は必至の努力を払いつつある。その中でVEという原価低減の手段は,有力な武器として企業にみとめられ,ここ数年来急速に進展して来たことは否定できない。しかし一方,10数年前にGEのマイルズの創始した古典的VE「敢て古典的といわしてもらう」にも,考え方,プロセスの上でも修正を大幅に加えられる時期に至っている。すなわち,この1970年代の変化と,技術革新に即応するVEとしては,余りにも受身的発想から出発していると思われる。そこで今後の時代変化に対する1,2の考え方を述べて見たいと思う。

"VEとは何か"について,数多くの定義づけがなされているが,その根底に流れるものは,確立された組織をもて,要求された機能を最底のコストで満足させるための手法であるといえないであろうか。従ってVEを展開する上で組織編成を如何に行なうかが,1つのポイントとなる。

しかし,一概にVE組織といっても,企業形態・規模・生産品目などにより異なるであろうし,また,その企業に適した組織編成をしなければ,VE効果を100%発揮させることは出来ないであろう。

そこで,VE組織とは一体如何なるものか。どのような構成を計らねばならぬか,という問題が生じてくる。

本論文は,このVE組織の問題について,アッセンブリメーカーである当社の例をとり纏めたものである。