中堅企業のためのVE
資料NO.研13
1995年2月発行
これまでVE活動については大企業での成果と方法を中心に数多くの実績が公表されてきました。しかしながら、中堅・中小企業が独自にVEを導入･展開、企業基盤の強化･安定を図っていくために 必要な思想的留意点と手順（ステップ）については、実務的手引きが少なかったことは事実です。本報告書ではこの点に留意し、できる限り平易に、かつ、活用 いただけるようにいたしました。
これまで中堅・中小企業では、『人的資源の不足』『時間的余裕の不足』『VE知識の不足』『資金力の弱体』等が VE導入･推進の障害と思い込んでいる傾向があったようですが、当研究会の研究では、VE思想を徹底し、目的々展開を図るには大企業よりも中堅･中小企業 こそが最適な企業環境にあるのではないかとの結論に達しました。
また、例えばエンドユーザーに直結していないような（部品メーカーのような）中 堅･中小企業にとって、VE活動は発注者の要請で『やらされるもの』という意識が根深く存在している一面がありますが、双方にメリットのある『共同VE活 動』が必要なことも異論のないところです。
共同VE活動についてはいくつかのメリット、デメリットが考えられるものの、基本的には対等の立場を堅持することであり、VE契約を上手に運用することによって問題は解消できるのではないかと考えられます。
自企業の強い基盤を確立するために、この提言を自企業の水準に合致させて活用されることを期待します。