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VE機能評価におけるコンジョイント分析の有効性についての考察 -消費者行動分析による機能の評価-
VEは、製品やサービスの機能をその研究対象とし、その機能とは顧客にとって必要な機能でなければならない。機能本位のVE活動によって、限られた経営資源を重点分野に効率的に配分する上で、価値向上余地による判断材料を提供し、改善対象とする機能分野を選択する重要な段階が機能評価の段階である。いわば機能評価によりVE活動の方向が決定されるのである。本研究では、このVE活動の方向を決定する重要な機能評価のステッ -
“シュッド・プラン”アプローチによるコスト改善戦略の策定
収益性の改善を目的とする全社活動の推進部門にとって、自社製品や工事に適したVE活動テーマの具体的な選定方法の確立と目標の設定は、重大な課題である。弊社では具体的なコスト改善活動を開始する事前検討過程に、簡易的なVE展開を導入して、コスト改善戦略を策定する「シュッド・プラン アプローチ」と呼称する手法を開発し、多くの成功事例を得た。本アプローチでは、該当する製品・工事の機能に注目し、簡易的なVEの機 -
間接費低減をねらいとしたVEアイデア発想法
顧客が受け取る価値を高める活動としてVE活動があり、企業は顧客の要求機能を確実に達成すること、顧客の納得する価格にて供給することを両立させ、加えて利益も追求するVE活動を推進する必要がある。ほとんどの製造業では、顧客が要求する仕様、機能、価格を作りこむために直接的に掛かる費用である直接費低減をねらいとしたVE活動を行っており、間接費低減をねらいとしたVE活動はあまり盛んではないのが現状である。もち -
顧客満足度を加味した製品コンセプト構築支援法 ~VEアプローチを基にしたコンジョイント分析を用いて~
本研究は競合製品が多々ある成熟製品を対象として、次期改良型の新製品を開発するときの製品コンセプトづくりに不可欠な顧客情報を作成し提供する新しい方法論を明示するとともに、その有効性を明らかにしたものである。それは2つの部分から構成されている。第1は、現状の機能に対する顧客評価により、当該製品の主要な機能の改善対象を明らかにするものである。第2は、この改善対象機能を具体化した方式案を組合せて製品設計案 -
家電物流の価値向上のためのアイデア発想・評価方法
厳しさを増す経営環境や顧客ニーズの変化により、物流も新たな局面を迎え、最良の変革が求められています。今後企業が生き残るためには、物流の理想的なビジョンのもとに、業務を改革しなければなりません。VEを駆使して、この問題の解決を図ることができます。本論文は、VEの基本的な考え方をベースに、新たなアイデア発想方法と評価方法を取り入れました。まず、アイデア発想要素及び希望点抽出の7つのキーワードによる系統 -
納得と創造を引き出すVEファシリテーションの技術
VE技法を効果的に活用し大きな成果を得るために、VEチームリーダーはVE技法の知識と実践能力を磨くに留まらず、VEを分かりやすく伝え、受け手の感情に配慮して生産的なコミュニケーションを行うことを通して、VEチームを目標達成に導く原動力にならなければならない。一方で昨今、「活動や議論を促進する人」という意味で、ファシリテーターという役割を担う人材が、会議やプロジェクト活動の運営、組織・風土の活性化に -
機能定義のための逆転発想法
VEの最も特徴的な部分は機能系統図といわれている。機能系統図を作成する上でキーとなることは、上位機能(目的)と下位機能(手段)を整理することであり、その過程で設計の考え方や、チーム員のコミュニケーションが計られている。テアダウンや既存製品の改良品の機能系統図に関しては、部品や部組品があるので、それぞれの機能は比較的簡単に作成でき、その機能の上位機能・下位機能関係を整理することになる。一方新規製品や -
アイデアの構造化とフレームワーク思考の適用
機能系統図を作成する「機能の整理」のステップはVEの最も特徴的な部分であり、その効用は設計思想を共有化する、創造力を刺激する、コミュニケーションを改善するなど、多くの利点がある。機能の表現方法や検討対象範囲などにより、系統図もいくつかのタイプに分類されることが知られているが、いずれの場合においても、最上位機能から展開される上位レベルの機能のとらえ方が、機能分野や重点機能系列を決める上で極めて重要と -
顧客評価額に基づく付加機能の複合化による相互効果の評価法
一般的に、数多くある競合製品において、製品差別化のために複数の付加機能が追加されるが、これらを合理的に金額評価する研究はさほど進展していない。本研究は付加機能が複合化させることによって生じる相互効果を、相互効果額・相互効果額比・相互効果認識率の3つの指標を用いて具体的に金額評価する方法を提案し、その有用性を明らかにするものである。これらの評価値を総合的に活用することにより、戦略的な製品コンセプトづ -
効用関数を活用した代替案評価法
VE活動を通して検討・提案される代替案は、総じて設計内容が抽象的で、ダイレクトに試作・実験等による技術評価を行うことは難しい。そこで、従来からこのような場面では、手軽に活用できる主観的評価法(レーティングなど)を用いることが多いのだが、評価のよりどころとなるモデルがあいまいな(あるいは存在しない)ため、評価結果にチーム内での合意がともなわず、混迷する場合も少なくない。そこで本論文では、主観評価では