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KT法を活用した詳細評価の具体化技法
VE実践活動において、基本ステップ「代替案作成」の詳細ステップ「詳細評価」については、『新・VEの基本』1)によると「技術性の詳細評価」と「経済性の詳細評価」で評価することになっている。複数案作成された提案について「技術性」と「経済性」の二面から評価することは、提案の実効性を評価する重要なステップであり、科学的な意思決定が必要とされる。しかし、VEプロジェクトの置かれた制約条件を多面的に分析し、将 -
アイデア数と多様性を考慮したアイデア量の評価方法
製品やサービスの開発や改善活動において価値ある代替案を創出するには多くのアイデアを出すことが重要とされている。VE実施手順のアイデア発想ステップでは発散思考し、その後の具体化ステップでは収束思考することで効率的に代替案を生み出す。発散思考時には多くのアイデアを発想するが、このときの「多くの」とは単純にアイデア数が多いことを指すのではなく様々な意味が含まれている。本論文は「多い」の意味のうちアイデア -
建設工事の総合評価方式技術提案への「開発のVE」手法の導入
公共工事において総合評価方式が増加している。落札するためには、発注者ニーズを的確にとらえ差別化した技術提案により、高い技術評価点を獲得することが必要である。 今回は「開発のVE」を利用して、発注者ニーズを機能に置換し整理することにより真の発注者ニーズを把握し、差別化した技術提案を作成する方法を紹介する。 -
VEとTRIZによるコスト低減手法
多くの企業において、VE活動を通してコスト削減の実績を上げている一方で、既存のVEの手法だけではコスト削減に限界を感じている場合も多い。そこで、さらなるコスト削減を実現するため、VEとTRIZを組み合わせた新たなコスト削減手法を提案する。 本研究では、コスト削減活動の過程で度々遭遇する二律背反的な技術的問題の解決手段として、TRIZにおける技術的矛盾解決方法に着目し、新たに「コスト削減のための技術 -
公共事業VEの転換を図る価値分析手法の提案
これまで、公共事業VEで一般的に使われた機能分析法は、製品VEと同様に事業単独の構成要素だけを対象としたものであった。 しかし、公共事業の機能は自己完結型で成立するものではない。それが整備される場所や地域社会との相関関係の中で果すべき機能が定義される必要がある。これからの公共事業に必要な機能は、地域社会という大きなシステムとの相関関係で定義される必要がある。 したがって、機能を定義することは、複数 -
設計のモジュール展開構想時におけるテアダウン手法の活用方法
多くの製品は競争優位性を確保するため、多数のバリエーションを有していることが多い。そのような製品をシリーズ開発する際での設計構想段階にて、多数の バリエーションに対して有効に共通化できる部品モジュールを開発し、それを製品の各目標Q(品質)、C(コスト)、F(機能)、D(納期)を満足させるよ うに、最適なモジュール展開構想を実施することは非常に重要であることは言うまでもないが、今まで具体的な手法がな -
問題からの機能定義の方法
『VEハンドブック』の7.3.1(P.355)(注)で紹介されているとおり、サービス領域での管理・間接業務や、2時間VEなどの短時間VEでは、現状の問題から機能を定義し、アイデア発想を行う手法が広く利用されている。 現状の問題は、改善活動を行う上で大きな動機の一つとなるため、この方法はチームメンバーの参画意欲の維持や向上という点等においてすぐれた手法である。 しかし、従来からの「問題点反転法」や、 -
価値向上時における正味経済効果の厳密式
VEは、価値向上を改善の目的とする優れた方法論である。より多くの経営者に理解され、より広い領域に適用され、より大きな効果を創造するために は、価値向上の効果を目に見える形で示したい。そのためには、定性的な表現や精神論ではなく、定量的で具体論とするべきである。特に、機能(F)の変動を 伴う価値向上時が、とりわけ困難である。 そこで、本論では、あらゆる価値向上のパターンに適用でき、その経済効果を厳密に -
社会システムに着目したVE活用手法
社会インフラへの投資は、現在の社会活動のためだけではない。次の社会を支える未来の世代のための資産をつくり、それを継承することである。我々がこれまでに整備した社会インフラは、物を残すことではなく、必要とされる「機能」を未来に残すことが本質的な目的である。 社会インフラ整備におけるVE検討は、工業製品などと同様に基本的な実施手順に忠実に行われてきた。しかし、製品と社会インフラには決定的な相違点があるこ -
製品改善 VEにおける TRIZの具体的活用
現在の日本経済は厳しい環境下にあり、価値向上を目的とするVEの必要性が高まってきている。VEは広範囲な事業分野に普及しつつあり、VEに取り 組む企業やVEL取得者も増えてきているが、VEが使いこなされ定着化してきているかというと、そこまでには至っていないのが現状である。VEが誰にでも 実践できない理由として、VE実施手順の代替案作成段階におけるアイデア発想、欠点克服のアイデア発想での行き詰まりが挙