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新しい機能定義と分割構成の手法FBSテクニック(FBST)
従来の価値工学の分野では,思考の幅を広げるために機能定義と機能系統図の方法が使われてきた。しかし,これらの方法は,いずれも使ってみると,有効ではあるが,なにかあいまいなところ,ぎこちないところが残っており,それを取り除く技法の開発が各国で望まれてきた。この論文は,そのあいまいなところ,ぎこちないところを取り除くため,日常なにげなくやっている思考のメカニズムを,新しい目で再分析・再組立し,それの手順 -
VE計画と対象選定の効率化
低経済成長下の企業経営にとって,VEに寄せる期待は大きい。また,多くの企業で,VEは着実に成果を上げてきている。VE適用分野についても,現製品VEから新製品VEへ,さらに,ハードVEからソフト面のVEへと,拡大してきている。VE手法面の開発,改善についても,業種あるいは企業にマッチした形で進んでいるように見うけられる。一方,VE投資効率の観点から,VE活動体制はどうか,VE対象の取り上げ方は適切か -
製造工程におけるプロセスVA
日立電子(株)におけるVAは,テレビ放送装置・ビデオ関連装置・無線通信装置等の製品VAや製造VAが,ほとんどであった。今回,ビジコンの製造VAを行うにあたり1. 工程が28工程にも分かれており,しかも大半の工程がクリーンルーム内の作業である。2. 半導体の前工程と同様の微細加工を伴い,各工程毎に歩留りがあり,この歩留りが全体の歩留りに大きく影響を与えている。などで,従来のVAとは趣を異にしているこ -
VEを活用した工程設計手法の確立 ~機能工程設計~
私達,企業を取巻く現在の経済環境は,数年前と大幅に異なり,製品の多様化が進み,かつ量の増大があまり期待できない低成長時代になってきている。このような状況は,図-1のようなディーゼルエシジシを生産する当小山工場においても同様で,従来通りの業務の進め方および手法では,思うようなコスト低減が困難になってきた。そこで,今後は,このような状況の変化に対応した現状打破の手法が必要になった。そして今回,発想を転 -
VEの価値理念と基本機能評価の拡大
激動する経済環境の中で,企業は体質改善と新規発展のため,いろいろの努力を行っているが,その中で,近年とくに成果をあげてきたのがVE技法である。購買部門からスタートしたVE技法が,現在では,本流の設計部門や製造部門で活用され,さらに営業・業務などの間接部門にまで展開されている。このように,対象部門や対象テーマが多様化してくると,VE技法にもいくつかの問題点が生じてくる。これに対して各社各様の改善手法 -
デザイン・ツー・コストの一方法
この論文は,先に発表された「ステップリスト・マネジメントの方法」(1976年度VE大会論文集に記載)の考え方を利用して,DESIGN-TO-COSTの方法を新しく手順化すると同時に,その中で使われる「VE手法」をいくつかの形に変化させ,短時間でかつシステマティックにそれを進めることができるようにしたものです。 -
効率的な製品VAのアプローチ
低成長時代を迎え,家電音響製品は,ますます市場競争が激しくなり,さらに最近の石油関連資材を中心とする,材料費の高騰は収益を悪化させつつある。一方,市場のニーズにより製品はますます多様化の一途をたどっている。これらの傾向は開発機種の数を増加させ,収益確保のために多くの機種の製品VAが要求されるようになる。VA活動は企業の置かれた環境とニーズにそったものでなければならない。今回,家電音響製品における開 -
VE創造段階における発想技法の考察
VEが我が国に導入されて以来,この思考法は色々な環境の中で,企業経営における利益確保の柱として大きく成長した。この間に,VE技法そのものもより大きな成果を得るために,VE手順の改善とか,新しい分野に適用する新技法の開発等,長足の進歩を遂げてきた。しかし,このような努力にもかかわらず,VE活動によって獲得される成果は,初期の導入段階で得られたものに比較して,次第に減少の傾向にあるのも事実である。本論 -
ソフトVEによるデザイン機能展開
昨今の企業を取り巻く環境は,円高ドル安,国内外の景気不振と,ますますの厳しさを迎え,企業の総合的な体質改善を余儀なくされている。また市場競争の形態からみても,ほとんどの商品群が成長期から爛熟期へと移行し,コスト,品質,技術等の膠着化による,デザイン競争の感が,より顕著となり,デザイン部門に対する,価値ある商品デザインが切望されている。また,こうした中で,当社VE活動の重点を,商品,部品に対するハー -
VE提案の採否判定段階における定量的アプ口ーチ ~損益分岐点分析の活用~
当社では昭和47年に産業能率短期大学のご指導により,VE実践セミナーを開催以来,従来の管理技術の主流であった「IE」,「QC」,に「VE」を含めた三本柱で,生産活動の合理化・管理技術の向上を推進してきた。その間,推進組織の変遷や,ポリシーの変化により,個々の事業場での進歩状況は,一定の伸びを示してはいないが,全体としては,着実に定着・発展しつつある。しかしながら,商品ライフの短縮傾向をはじめとし,