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製品進化を促す機能定義~機能定義の対象拡大の意義と効用~
企業も製品も進化していかなければ生き残れない。製品進化はターゲットとした顧客の満足を継続して向上させることによってなされる。この満足を向上させるには継続的・断続的価値向上と、その製品の差別化・個性化が不可欠となる。この結果が製品進化となるのである。本論文はこれら2つの要素を効果的に実現するため以下の展開をするものである。 まず第一に、機能定義の対象拡大(上位拡大と並位拡大)を図る。ここでは、VE対 -
電子回路VEにおけるブロック図を活用した機能の整理の一方法
現代の製品には電子回路が不可欠であるが、電子回路のVE論文や事例はあまり見かけない。現在では電子回路 VE の必要性は高いはずだが、それが普及しているとは言いがたい 。この理由は、主に2点の特徴が電子回路にあるためだと考える 。第1に、電子回路は回路や部品が果たす機能に着目して開発設計している一面があるために、電気技術者の多くは、VE実施手順の特に機能定義段階について、通常の開発設計段階と重複する -
類似サブアセンブリ品への効果的なVE 活用法~基本となる機能系統図の使用~
昨今、働き方改革により業務効率化が必須の課題となっており、VE活動自体においても、VE投資倍率の向上を目指し、活動時間の短縮化、成果の向上が果たせる活動の実現が重要課題となっている。したがって、これまでは量産品や繰り返し生産品など適用数量が多いという理由から、価値向上が果たせるVE対象テーマを選定し活動することが主であった。逆に、主に個別生産品を主体とする製品・サービスについては、一品一様となるこ -
TRIZを活用した対極類比アプローチによる創造手法
第49回VE全国大会(平成28年開催)において、「対極類比アプローチによる創造 手法の提案と検証」と題したVE研究論文を発表した。この中で、企画段階のVEプロセ スで顧客の潜在的要求に応えるアイデアの創造手法を提案し、その有効性を検証した。今 回、その創造手法にTRIZの発明原理を取り入れて、より普遍性の高い技術的な観点を 付与しさらに有効性を高めた。 本論文では、TRIZを活用した対極類比アプロ -
具体化の手順における欠点抽出方法の研究
製品流通のグローバル化が進んでいる昨今、必要な機能を確実に達成していることはも ちろんのこと、ユニークかつ安価な製品を市場へ提供することが求められている。この要 求を満たすためには、機能とコストの関連を追求することで抜本改善となる代替案を導く VE(Value Engineering、以降VEと記す)プロセスは有効である。そこで弊社では、新規 性や技術的難度の高い製品開発テーマに対して、開発設計段 -
機能別コスト分析の実践的な技法とその進め方
機能評価の詳細ステップである機能別コスト分析については、個々の構成要素のコスト をそれぞれの機能分野に各種の配賦計算で配賦することになっている。 本論文では、各配賦計算の使用実績について過去の VE 全国大会や西日本支部(関西地 区)の VE 活動事例を調べた。その結果、機能別コスト分析の記載のあった事例のほとん どが貢献度評価による配賦であった。さらに、各配賦方法の長所と短所をまとめてみた。 し -
フィードバック制御系のVEにおける機能系統図の作成
VE活動において、適切に機能分野を明らかにすることは重要な事項であり、効率的に 機能系統図を作成することが必要とされる。また、エアーコンディショナーの室内温度制 御、ロボットアームの位置決め等の多くの分野で使用されているフィードバック制御にV Eを適用して価値ある製品を生み出すことが期待されている。 そこで、フィードバック制御を一般化した基本となるブロック線図を基に対象テーマの ブロック線図や回路 -
対極類比アプローチによる創造手法の提案と検証
企業には顧客に新たな感動を与える価値の創造が求められている。そのためには既に明 らかな顧客の顕在的要求に加えて、潜在的な要求を見いだし、新たな価値をもたらす製品 やサービスの基本着想を創造する必要がある。本論文では、企画段階のVEプロセスで顧 客の潜在的要求に応える基本着想の創造手法を提案し、その有効性を検証した。 提案する創造手法は開発する対象と概念的に対極のものを発想し、対極のものとその特 性 -
VE実施手順におけるリスクマネジメント手法の活用
近年、製品機能の高度化、複雑化により、新規開発や設計変更により生じる品質面での リスクは益々増加している。このリスクを避けるため、創造による変更を行うVEに対し て、消極的になることが製造業の開発現場でも見受けられる。このような傾向は、企業だ けでなく社会全体の成長を停滞させる大きな問題になる。 そこで、本論文では、製品の新規開発や設計変更によるリスクを管理し、品質を確保す るため、VE実施手順に -
アイデア体系図を用いたアイデアの発展技法
企業の経営環境の変化や顧客の要求に対応するために、経営層から設定されるVE活動目標の難度は高くなりつつある。VEプロジェクトチームは、難度が高く設定されたVE活動目標を達成するために、価値の高い代替案を構築する必要がある。そのためには「アイデア発想」で数多くのアイデアを発想し、アイデアを発展させることで、VE活動目標の達成に寄与するアイデアの量を増やす必要がある。 しかし、「アイデアの発想」でアイ