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開発進度を管理可能とするVEアプローチ
新製品開発を成功に導くためには,品質,コスト及び日程の3つのリスク・ファクターについて進度をコントロールする必要がある。その管理をVEの"機能設計"に取り入れ,VEジョブと融合させる方法を考えた。その名を『機能関連図』といい,全体を一望しながら開発進度を管理出来るVEテクニックである。 -
物流VECにおけるアイデア発想の一考察
通常アイデア発想法については,ブレーンストーミング法が行われているが,ややもすれば一般的なアイデア発想に終わってしまう場合が多い。当社のような物流業においては営業拠点が全国に散在しているため,短時間で効率的なアイデア発想を行わなければならず,そのため,従来行っているブレーンストーミング主体のアイデア発想から,より効率的なアイデア発想法を開発する必要があった。そのため,VEC-CG技法とブレーンイラ -
設計段階における機能評価システムの設計
従来より数多くの機能系統図の作成方法や機能評価法が発表されているが,それらはいずれも独立した方法として展開されており,有機的につながったものではなかった。本論文ではこれらが一連のプロセスの中で,同時に,しかも簡便に行われるシステムを提案するものである。本システムは機能項目間の関係を「目的-手段」,「原因-結果」あるいは「機能重要度」等の観点から,従来のような画一的な2項関係(0または1)でとらえる -
新工法開発のためのVE手法
本論文は,建設業における「新工法開発のためのVE手法」についての研究成果を発表するものである。この手法の説明は,他産業における「新製品開発のためのVE手法」を参考にしたが,内容の詳細については,建設業の特徴を強調したものになっている。建設業の特徴は,なんといっても「大自然相手の仕事」という一言に尽きる。この大自然相手ということが,制約条件の中でも,大きなウェイトを占めている。VE手法を展開していく -
建設業の性能発注におけるVEアプローチ
建設業においては,昨今,顧客から,建設する施設,建物に対して,必要とする性能(遮音性,断熱性,クリーン度,振動etc.)を満足させることを発注条件として要求してくる形態が増えてきている。現在,花形産業である超小型集積回路,ラジオアイソトープ………等のハイテク関連施設はもちろんのこと,他の用途の施設,建物においても,今後さらに,顧客からの発注条件は増加する傾向にある。我々はこれを"性能発注"と称し, -
デザイン業務の戦略的機能展開とデルタ発想
家電業界は顧客の価値感の多様化,商品のライフサイクルの短縮化,10年前とは比較にならない程の技術革新,および他社との価格競争の激化など,ますます厳しい状況のなかで企業の総合的な体質改善を,更に積極的に展開することを余儀なくされている。こうしたなかで,他社よりも,いち早く市場ニーズを適確につかみ,他社と差別化された商品を提供していかなければならない。当社におけるデザイン部門は,自主独立事業体形式を採 -
機能定義とアイデア発想についての一考察
VA活動が,システマティックに機能を追求するVA技法を忠実に実施することにより,効果的な活動を展開すべきことはいうまでもないが,これらVA活動の成果を左右する最大のポイントは「機能定義」から「アイデア発想」にかけての展開にあるといえる。機能定義は,VAの特徴であると同時に,その重要性は充分すぎるほど認識されているが,この機能定義の表現があいまいであり,また,断定的にすぎると発想が制限されてしまうの -
電子回路VEの展開
近年,電子化製品の急増により,製造原価に占める電子回路のコストウェイトが高まっている。企業経営の収益改善にとって,電子回路のVEアプローチが重要となってきた。本論文は,電子回路のVEの展開について研究したものであり,説明を容易にするために計量機器の具体例をとりあげて記述する。そのため,本論に入る前に,計量機器の電子化移行について説明しておく。計量機器は,その長い歴史のなかで,これまで機械的な方法( -
設備設計における要求事項の機能的追求
建築設備の設計では,発注者の要求事項を機能変換し,あるべき機能を見出すことで,その建物に必要な性能を効果的に構成させることができる。われわれは,このためにFAST技法を中心に,機能変換をすることが多いが,発注者の要求していることを正しく理解する努力を怠れば,いくらステップを正確にふんだVE活動を展開しても,決して良い結果は得られない。過去の設計においても,計画時に発注者から聞いた要求事項を図面に反 -
建設工事における実用的機能評価
最低のライフサイクルコストで必要な機能を確実に果たすべく,組織的に,機能本位のアプローチを持続的に行うVE活動は,低成長経済の定着した昨今程,各分野の企業においても重要視され,企業収益の改善に,健全な組織体づくりにと,ますます盛んにとり入れられている。当社においても,建設業特有の特殊性を考慮して,VE計画会議の設定,3時間VEの確立といった建設業にあったVE手法開発の,研究,普及を行ってきた。そう