-
海外生産を想定したVA設計とその手法
通信機器の海外生産を考える場合,その製品の特殊性(一般的な民生機器との違い)や,海外での生産形態の違いを充分に考慮した製品設計が要求される。本論文は,ビジネス用ボタン電話機の設計を通し,通信機器が要求する品質水準や小量多品種問題等と,海外での製造技術力とのギャップを克服する為に実施した開発設計手法に関するものである。VA的な観点からの分析やVA設計方針,具体策の選定方法など,実際の海外生産事例に適 -
研究開発に於けるVE ~優れた研究開発をするための新しい提言~
VHSの成功は研究開発だけの成功ではない。しかし研究開発がうまく行ったからこそ成功したのも事実である。VHSの開発をながめてみるとそこに効率の良さが感じられVE手法が見られる。そこで,研究開発とVEについての考察を試みた。VE手法を無理につかうのではなく,成果を出そうとすれば自然にVE手法を使うようになるというのが,この論文の骨子であり,私の主張である。 -
半導体製品におけるVEアプローチ -”機能相当パラメータ”による部材改善技法-
半導体製品のVEアプローチは非常に難しいと言われているが,当社に於ては,プロセス改善による歩留向上生産効率の改善等を行って来た。然るに原価の1/3弱を占める「部品材料」(以下「部材」と略す)の改善は製品原価の直接費の中で最も大きい比率を占めVE改善活動の大勢を決めると言っても過言ではない。そこで,VE活動活性化のため半導体独特の部材改善アプローチを考えた。それには,機能相当パラメータによる評価値を -
建設業の組織運営と協力会社へのVE普及 (法定教育カリキュラムへのVE研修の組み込み)
建設業は従来からの未解決の問題を抱えたまま,国内建設需要の伸び悩み,実質生産性の低下,海外からの市場開放圧力等の問題に直面している。我が国経済は既に成熟しており,21世紀に向けて建設業はエンジニヤリング・コントラクター化,ソフト化を指向するとともに,ー層の合理化を進めなければならない。合理化の原点は作業所にあり,工事施工を分担するパートナーであるサブコンの責任施工能力の向上が不可欠である。とりわけ -
建築設計/設計VE手法の一考察
現在の建設業界は,昭和40年代後半から50年代初期にかけての高度成長期にそのピークを極め,ゆるやかな安定成長といわれる中で,生き残りを賭けた熾烈な企業間の競合を展開している。今日の競合の特徴は過去の成長期のごとくの受注量の拡大とは異なり,効率化と多角化にある。拡大することのないパイのもと,各企業とも,効率化へ向けての各種の管理技法に一層の磨をかける一方で,多角化へ向けて,業際の拡大,今後の社会やニ -
建築基本設計における顧客ニーズの展開
VEの特徴の一つに「顧客本位の考え方」がある。建設設計を行う上でも,顧客抜きには考えられない。日経アーキテクチャーが,法人に「今後,建築家,設計者にどのような面でその能力の発揮を期待するか」を質問したアンケート資料がある。その結果の上位3つを列記してみると①コストに対する認識の高揚②施主の意図を的確に把握する能力③発注者が全面的に信頼して任せられる体制の整備の順となり,今回の論文を考えて行く上での -
設計部門における企画段階のVEアプローチ
普及率の向上に伴い,成熟商品の仲間入りをしたエアコン業界の動向を現象面より眺めると,①単発的な機能付加競争・価格競争が激化してくる。②製品の開発期間短縮と,開発技術力の平準化により企業の収益性が低下傾向にある。等が生じる。このような環境の中でのVE活動は,市場価格対応優先で,売価DOWNのための活動に終わりがちである。従って,顧客ニーズに立脚した価値改善活動による,利益計画にリンクした活動が必要で -
商品企画段階における新機能の評価技法
製品ライフサイクルが短くなるにつれて,VEの適用時期は次第に上流にさかのぼり,開発設計段階から商品企画段階に至ろうとしている。複数のモジュール商品を組み合わせて構成する,システム製品と呼ばれる商品では,個別のモジュール商品の機能にとらわれない自由な発想で,長期的な展望に基づく新システムを構想企画することができる。ところがこの場合でも,実際の商品企画では,どんな新機能を,いつ,いくらで,どんなモジュ -
研究・開発段階におけるVE展開 -目的展開図,アイデア展開図-
低成長時代の到来,円高ドル安等,日本経済を取り巻く環境は,大変きびしい状況にある。このような情勢下で各企業は,新製品の研究・開発に力を入れ在来製品の枠の拡大と新市場への進出の機会をうかがっている。創造的アプローチのVE技法は,時代の要請に応えるべく新製品開発,新市場開拓などの分野で大いに活用され成果を上げて来ている。しかしながら創造活動が中心の研究・開発段階でのVE適用は,まだまだ浸透しているとは -
Matrix「VE」の開発 --製品の開発・製造プロセスに対応して進めるVEの新展開プログラム--
VEの対象である一般的な製品の開発は,商品企画から製造までのプロセスを,ある開発期間(時系列)のなかで,順々にステップをふんで進めている。VEは個々の対象に応じて,開発のVE(0 Look VE)設計のVE(1st…)等で,開発プロセスと結びつけ展開しようとしているが,現状のVEのあり方は,いつも対象全体を「一括」(基本機能~未端機能)して扱うことを基本としているため,開発プロセスへの対応・適用と