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輸送サービス業(鉄道業)におけるVEの考え方とVEの展開
鉄道はさまざまな要素技術から構成される労働集約産業であり、相互に綿密に関連し合う要素技術を分解すると、さまざまな業態の集合体といえる。これらの各分野に「いかにVEを適用するか」「どのように活性化するか」について検討・実践してきた結果、鉄道業に適したVEを展開し、成果も毎年創出するに至った。そこで、VE展開方法を他業種(製造業など)と比較検討し、輸送サービス業におけるVEの考え方とVE展開の特徴を述 -
公共事業における価値向上施策展開とVEマネジメント
政府、地方自治体では財政面での逼迫を受けて、公共事業のコスト縮減施策や価値向上対策の一環としてVEの取り組みが活発な動きをみせている。公共VEは事業予算の有効活用と納税者、利用者に満足感を与える画期的な手法であるが、成果を生み出すためには運営体制の確実な整備と個別プロジェクト単位での推進マネジメントが重要な鍵となる。本論文では、地方自治体でのVE導入と個別プロジェクトの本格的なVEワークショップで -
公共事業におけるアセットマネジメントシステム構築へのVE適用
これまで公共事業では、社会経済の高度成長期にあって、整備目標に向かって求められる施設を早く大量に作ることが求められてきた。そして高度成長期が終わり、多くの公共施設が整備された今、求められているものは「良い公共施設から得られる良いサービスの維持」である。また、豊かになった社会は多様なニーズを生み、公共施設には新しい価値が求められている。このような価値観の変化に柔軟に対応しサービスを維持しつづけるため -
公共事業における新しい価値の評価方法
公共事業は、利用者や事業工程など、一般の製品やサービスと異なる視点が存在している。公共事業へのVE適用が急増する近時において、その視点に沿った新しい価値の評価方法が必要となってきた。そこで、新しい視点の整理をすると同時に、新しい評価方法を導くことを試みた。まず、公共事業を評価する上で必要な要素を、機能、コスト、時間、手間の4つを抽出した。そして提案する評価式は、これまでの機能とコストの2つの要素で -
土木事業におけるインハウス設計VEに関する研究
土木事業の設計VEは、事業全体の価値向上に対して有効であることは筆者が過去10年間の研究および実務を通じて徐々に証明してきた。しかし、事業は単品生産で分野も様々であるため、全面的に適用するにはかなりのハードルを越えなければならないと思われる。本論文は土木事業の要である発注者が行うインハウス設計VEについてのマネジメント方法を実施例と交えながらコントロールポイントを論ずるものである。 -
土木事業の価値向上におけるCVSの役割
土木事業は民間では採算の取れない社会資本を整備することが一貫した使命である。近年は、政府の財政難により様々な場面でコスト縮減が図られてきた。コスト縮減手法としてBOT、CM、NPM、PFI、PPP、ISOなどを次から次へと土木事業関係者に取り組ませたが、本質的に効果が表われた場面は少ないと感じる。また、コストは縮減されたが品質、機能に問題が残った場面も多々ある。コストと機能を満足させるバリューエン -
公共工事へのVEシステム導入に関する提案
日本の社会資本整備は、「標準多量型整備」から「個別吟味型整備」へ移ることが求められている。そのためには、「改善」という概念の導入が設計段階に必要となる。VEは、公共事業の改善に有効なツールである。しかし、その適用は、個々の業務で考えるのではなく、事業全体で考えなければ大きな効果が得られない。すなわち、バリュー・マネジメント(VM)である。公共事業へVEを導入するためには、5つの制度と4つの環境をシ -
設計VEの効果的な適用方法と公共事業への展開方法
公共事業に設計VEを適用する事例が、ここ数年増えてきた。しかし、製品やサービスのように、大きな改善効果が得られないケースがあるのはなぜなのだろうか。事例を重ねることによって、公共事業の特質と設計プロセスのマイナス要因が、重要な鍵となっていることが判ってきた。そこで、本論文は、公共事業に設計VEを適用するために必要となる公共事業の特質と、大きな改善効果を出すための設計VEの適用方法と、さらに、将来の -
土木事業の特徴分析および価値向上施策の提案
国内の産業界にVEが導入されたのは1960年代と言われている。導入当時は自動車と電機などの産業が中心であった。建設関連業界も製造業に遅れ、1970年代に建築を中心に推進し始めた。しかし、40数年後の今はVEの導入結果は10年差どころか建設関連は相変わらず開発途上の状況になっている。最盛期は年間で約70兆円あると言われている建設産業の規模は景気の低迷の今も縮小現象が続いている。一方、公共事業だけを見 -
建設業のISO9001などにおける、施工品質向上のためのVE活用に関する一考察
建設業者の殆どがISO9001の認証を取得している。この基本コンセプトは2000年の改訂で、従来の「品質保証」から、品質マネジメントシステムに変わった。その目的も、顧客要求事項を満たし顧客満足向上へと広がった。又、経営者の責任がより明確になり、品質マネジメントの8原則を経営に生かし、経営と組織の一体化や顧客満足を測定・分析してシステムの改善を図り、顧客満足を高めるなど、実用的なシステムへと変わった