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建設工事における効果的なVE適用の一考察
建設各社が,いろいろな管理技法を導入して,経営の効率化をはかる動きは,近年とくに目立つ傾向にある。「労働集約」,「一品受注生産」,「重層下請」といった特質をもつ建設業界にも,各社なりに工夫を凝らして管理技法の導入,展開が行われて,最近の競争激化への対応がなされている。わが社は,建設業界では,はじめてVEを導入して,12年以上経過した。その間の社内蓄積にもとづき,この報告文は,建設工事における効率的 -
建設業における新しいVEの展開
当社にVEが導入されて以来,約13年を導入期,普及期,展開期,発展期,結実期と分けて振り返ってみると,そのいずれもが,まさに"草の根運動"の連続であった。その成果や活動の状況については,今までの大会でも多数発表したところであり,それらを含めて,これまでの経過を,概略年表式に一覧化すると,表-1のとおりである。この小論は,これらの経験を通じて,今後の一層の発展を期してまとめたものであり,建設工事にお -
ゼネコンにおける効果的VE活動とその実際 -設備工事部門における作業所VE-
当社でVEを導入して13年になる。現在,設計積算はもとより,事務部門においてもVE活動を行っている。しかし総合建設業(ゼネコン)である当社にとって,VE活動の核となり,また初期より一貫して取り組み発展させてきたのは"作業所VE"である。建築工事の一角を担うわれわれ設備部門においても,昭和40年後期よりVEを本格的に導入している。当初は,VEの浸透を主眼とし建築部門同様に,施工上の諸問題を解決する技 -
スクランブルVA(ステレオ部品VAの展開)
昨今の経済は,原油高騰に端を発した価格の変動が著しく,企業収益が大きく,これに左右され,一歩対応を誤ると,直ちに業績の大幅な低下をもたらす危険が周囲に満ち溢れている。こうした環境下では,VA活動を一層活発化すベく,企業幹部自らが,これを参画推進して,VAを真に日常の業務として定着化させると共に,活動の領域を広げ,底辺を拡大させねば,生き残ることが難しいことはいうまでもない。このような背景の下に,当 -
オーバホール品のVAアプローチ
コンピュータは,現在から次代にかけての花形製品として脚光を浴びているが,その環境条件は,技術革新の速さからくる厳しさが存在する。性能の大幅な向上と同時に,急激な価格低落があり,そのためにコストパフォーマンスの改善スピードは大きい。一方,コンピュータ製品の大型化と使用範囲の拡大から,その信頼性に対する期待も無限に大きくなりつつある。つまるところ,高品質を維持しながら,如何にして原価低減をなし遂げるか -
非量産製品に対する効率的VA手法の導入
高度経済成長がもはや,期待できない現状では,限られた市場のなかで,自社製品のシェアを,いかに伸ばすかがポイントとなり,VA活動の重要性が一段とクローズアップされてきた。したがって,VA活動は,製品,製造,物流と,漸次その対象を拡大し,単に,ハード面ばかりでなく,ソフト業務にいたるまで,あらゆる分野にわたって適用されようとしている。VAに従事するわれわれにとっても,単に製品知識ばかりでなく,多岐にわ -
スクラップ・リサイクリングによる省資材VA ~リサイクリングVA手法の展開~
当佐和工場は,スタータ,気化器,カー・エアコン等を製作する自動車機器専門工場として,昭和43年に設立されて以来,顧客第ーをモットーに,全従業員の頭脳を結集したVA/VE活動を展開してきた。しかし,昨今の国際情勢をみるとき,原油の高騰に呼応した省資源・省資材VA努力をより一層強化し,この難局を打破しなければならない。すなわち,原材料を輸入に依存するわが国の企業において,国際競争に打ち克ち,収益を確保 -
省資源VAの展開
昭和48年のオイルショック時における,石油関連資材の調達難は,当社もその例にもれなかった。特に,家電品を担当する当工場においては,量産工場であるがゆえに資材物量の確保難,及び材料価格の大巾値上り等,かなりの影響を被ったのも記憶に新しい。更に,昨年のイランの政情不安をきっかけに生じた,OPEC(石油輸出国機構)の再々にわたる値上げ攻勢(第2次石油危機)の行きつくところは,原油価格20$/1BL以上は -
モデル解析によるVEアプローチ ~利益指向のためのシステムVEの一考察~
利益指向にもとづいた目的的情報活動と,その最大限の活用により,現状打破へのシステム的VEアプローチは如何になすべきか。利益の基本要因は,原価,売価,販売量であるが,これは(hard ware VE)と(soft ware VE)の総合システムVEで達成されるべきものである。総合システムVEは,組織的な努力と運営により成果をみるものであるが,更に,トップの戦略決断に待つものが多い。 -
事務のVE
VEの定義では「VEとは,最低の総コストで必要な機能を確実に果たすために製品とかサービスの機能分析と改善に注ぐ組織的な努力である」と唱えて,事務の分野にもVEが適用できるとしている。しかしながら,製品などのハードな対象と比べて,事務に対する適用例は少なく,手法上の問題点の解明についても,十分になされているとはいえない。事務のVEに対する重要性が認識されてきているにもかかわらず,一般には,経費節減運