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「VE」と「県民参画」
公共事業に対する国民の批判や不信感は、相変わらず根強い。この原因として、地域の人々のニーズを十分にくみ取ることができないことや、計画策定手順が不透明になりやすいことなどがあげられる。そこで「県民が何を必要としているのか」「使用者が求めているのは何か」を把握し、「公共事業が見えるようにする」ため、計画の早い段階から住民の意見を聞きながら計画を策定する県民参画が、公共事業の現場で、導入されている。一方 -
公共事業における設計VEチームリーダーの役割と人材育成
本論文では、筆者が公共機関における設計VEチームリーダーとして直接関与したVEワークショップでの活動実績を踏まえ、公共VE成果をあげるためにチームリーダーが果すべき役割と課題を明らかにし、今後のリーダー育成についての方法を提起するものである。その背景事情には、政府、地方自治体では財政面での逼迫を受けて、公共事業のコスト縮減施策や価値向上対策の一環としてVEへの取り組みが活発な動きをみせているからで -
公共事業における価値向上施策展開とVEマネジメント
政府、地方自治体では財政面での逼迫を受けて、公共事業のコスト縮減施策や価値向上対策の一環としてVEの取り組みが活発な動きをみせている。公共VEは事業予算の有効活用と納税者、利用者に満足感を与える画期的な手法であるが、成果を生み出すためには運営体制の確実な整備と個別プロジェクト単位での推進マネジメントが重要な鍵となる。本論文では、地方自治体でのVE導入と個別プロジェクトの本格的なVEワークショップで -
土木事業の価値向上におけるCVSの役割
土木事業は民間では採算の取れない社会資本を整備することが一貫した使命である。近年は、政府の財政難により様々な場面でコスト縮減が図られてきた。コスト縮減手法としてBOT、CM、NPM、PFI、PPP、ISOなどを次から次へと土木事業関係者に取り組ませたが、本質的に効果が表われた場面は少ないと感じる。また、コストは縮減されたが品質、機能に問題が残った場面も多々ある。コストと機能を満足させるバリューエン -
設計VEの効果的な適用方法と公共事業への展開方法
公共事業に設計VEを適用する事例が、ここ数年増えてきた。しかし、製品やサービスのように、大きな改善効果が得られないケースがあるのはなぜなのだろうか。事例を重ねることによって、公共事業の特質と設計プロセスのマイナス要因が、重要な鍵となっていることが判ってきた。そこで、本論文は、公共事業に設計VEを適用するために必要となる公共事業の特質と、大きな改善効果を出すための設計VEの適用方法と、さらに、将来の -
土木設計におけるVE展開
本論文は公共事業プロセスの要とも言える設計段階で機能向上を図りながら、従来より少ない投資で合理的な土木構造物を求め、VE手法の土木設計への応用方法を探り、VE効果を明らかにするものである。その結果、複雑かつ保守的な土木設計プロセスにVE手法を適切に応用することにより機能向上をはかりながらセービングコストが全工事費の10%、20%に達していることが実証できた。公共事業においても設計時に適切なVEを導 -
原価管理とVEを融合した「開発3段階の原価企画とVE活動システム」
大競争時代下で価格競争の厳しい家電業界では開発製品に対して、厳しい目標原価の設定と開発期間の短縮が必要である。しかし、収益確保に必要な厳しい目標原価を達成できずに製品化する事例がある。本論文は目標原価未達の課題を改善するために、開発設計段階の目標原価達成手法である原価企画活動を1994年から実施してきた事例について目標原価未達の原因を分析評価した。この結果に基づいて、原価管理とVEを具体的に融合さ -
公共工事設計VEにおけるチームリーダーについての一考察
建設産業、特に公共工事の一部において設計VEの導入が始まった。しかしながら、現状の設計VE導入に際しては、VEについての基本的な理解がなされぬまま、まず形から入ることが多い。その結果期待したほどの成果が上げられず、設計VEそのものに対する誤った評価がなされることもある。これまでの設計VEへの参加経験から、公共工事設計VEにおいては、特にチームリーダーが結果に非常に大きな影響を与えることを痛感した。
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