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公共事業企画段階におけるVEの展開について
公共団体におけるVEの導入目的には、コスト縮減だけではなく、組織内の横連携強化や意思決定の迅速化などがある。その場合、VEは、企画段階にお ける意思決定ツールとしての活用効果を期待されている。そして、意思決定ツールとして活用するうえで、手軽にワークショップを行う方法についての要望は多 い。 公共事業の企画段階で意思決定ツールが必要とされる背景に、公共事業に求められるニーズが複雑化、多様化しているこ -
景観とVE
製品の外観を良くするためには、魅力機能として取り扱い、顧客要求や顧客満足度を指標に計画が進められる。一方、土木事業で扱う景観には、建造物の外観だけではなく、すでにそこに存在する自然や他の建築物の外観が含まれている。景観検討では、周辺環境との調和や強調といった概念が必要となる。我が国では2004年に景観法(景観緑三法)が制定され、良好な景観の形成を促進するための仕組みづくりが進められてきた。しかし、 -
公共事業におけるVE適用段階
公共事業における設計段階は長期間にわたるうえ、意志決定のプロセスが複雑であり、製造分野でのVEをそのまま適用することが困難とされてきた。また、VE対象が単品生産であり個別性が強いことから、VEを公共事業へ適用するには、個別の対象テーマに応じて検討の方法をその都度工夫することが必要とされてきた。同一の対象テーマであっても適用の目的や適用段階が変われば、実施手順の各ステップにおける検討の方法やテクニッ -
公共事業におけるアセットマネジメントシステム構築へのVE適用
これまで公共事業では、社会経済の高度成長期にあって、整備目標に向かって求められる施設を早く大量に作ることが求められてきた。そして高度成長期が終わり、多くの公共施設が整備された今、求められているものは「良い公共施設から得られる良いサービスの維持」である。また、豊かになった社会は多様なニーズを生み、公共施設には新しい価値が求められている。このような価値観の変化に柔軟に対応しサービスを維持しつづけるため -
土木事業の特徴分析および価値向上施策の提案
国内の産業界にVEが導入されたのは1960年代と言われている。導入当時は自動車と電機などの産業が中心であった。建設関連業界も製造業に遅れ、1970年代に建築を中心に推進し始めた。しかし、40数年後の今はVEの導入結果は10年差どころか建設関連は相変わらず開発途上の状況になっている。最盛期は年間で約70兆円あると言われている建設産業の規模は景気の低迷の今も縮小現象が続いている。一方、公共事業だけを見 -
公共事業の全実施プロセスにおけるVE活用策の一提案
昨今、年間市場規模50兆円と言われている公共事業は改革が求められ、顕著な改善効果がなかなか本質的に現れてこない。本研究は公共事業のプロセスに焦点を当て、それぞれの段階の課題を抽出する。これらの課題の中、特に発注者側が企画を練る段階に対し、管理技術VEを適宜に応用できる手法を提案することが主目的である。また、全実施プロセスに対しても分析を行い、公共事業の全体へのVE活用の課題提起も行う。
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