-
設計VEの効果的な適用方法と公共事業への展開方法
公共事業に設計VEを適用する事例が、ここ数年増えてきた。しかし、製品やサービスのように、大きな改善効果が得られないケースがあるのはなぜなのだろうか。事例を重ねることによって、公共事業の特質と設計プロセスのマイナス要因が、重要な鍵となっていることが判ってきた。そこで、本論文は、公共事業に設計VEを適用するために必要となる公共事業の特質と、大きな改善効果を出すための設計VEの適用方法と、さらに、将来の -
土木事業の特徴分析および価値向上施策の提案
国内の産業界にVEが導入されたのは1960年代と言われている。導入当時は自動車と電機などの産業が中心であった。建設関連業界も製造業に遅れ、1970年代に建築を中心に推進し始めた。しかし、40数年後の今はVEの導入結果は10年差どころか建設関連は相変わらず開発途上の状況になっている。最盛期は年間で約70兆円あると言われている建設産業の規模は景気の低迷の今も縮小現象が続いている。一方、公共事業だけを見 -
VEと顧客満足・企業満足
VEは製品の価値向上を図るツールであると言われているが、換言すれば顧客満足度向上と企業満足度向上の両者に寄与するものであり、その両者の向上を表すには価格(P)の関与が不可欠であることを数式を用いて説いた。またCSは一般に顧客満足度向上(Customer satisfaction)のみに使われているが、もう一つの意味合いとして企業満足度向上(Company satisfaction)のCSでもあると -
成熟製品の製造VEにおける新アイデア発想法
製造段階における工程改善アイデアは、顧客要求及び製造条件からの制約が多く、質の高い改善アイデアを出すのに苦労している。すなわちVE技法である機能からのブレーン・ストーミング法によるアイデア発想だけでは対応できなくなりつつある。そこで、①ブレーン・ストーミング法を基本テクニックとして②製造上でのチェック項目を列挙したチェックリスト、そして③類比発想法の1手法であるNM法のステップにおけるQBを合わせ -
VE機能評価におけるコンジョイント分析の有効性についての考察 -消費者行動分析による機能の評価-
VEは、製品やサービスの機能をその研究対象とし、その機能とは顧客にとって必要な機能でなければならない。機能本位のVE活動によって、限られた経営資源を重点分野に効率的に配分する上で、価値向上余地による判断材料を提供し、改善対象とする機能分野を選択する重要な段階が機能評価の段階である。いわば機能評価によりVE活動の方向が決定されるのである。本研究では、このVE活動の方向を決定する重要な機能評価のステッ -
家電物流の価値向上のためのアイデア発想・評価方法
厳しさを増す経営環境や顧客ニーズの変化により、物流も新たな局面を迎え、最良の変革が求められています。今後企業が生き残るためには、物流の理想的なビジョンのもとに、業務を改革しなければなりません。VEを駆使して、この問題の解決を図ることができます。本論文は、VEの基本的な考え方をベースに、新たなアイデア発想方法と評価方法を取り入れました。まず、アイデア発想要素及び希望点抽出の7つのキーワードによる系統 -
建設業のISO9001などにおける、施工品質向上のためのVE活用に関する一考察
建設業者の殆どがISO9001の認証を取得している。この基本コンセプトは2000年の改訂で、従来の「品質保証」から、品質マネジメントシステムに変わった。その目的も、顧客要求事項を満たし顧客満足向上へと広がった。又、経営者の責任がより明確になり、品質マネジメントの8原則を経営に生かし、経営と組織の一体化や顧客満足を測定・分析してシステムの改善を図り、顧客満足を高めるなど、実用的なシステムへと変わった -
納得と創造を引き出すVEファシリテーションの技術
VE技法を効果的に活用し大きな成果を得るために、VEチームリーダーはVE技法の知識と実践能力を磨くに留まらず、VEを分かりやすく伝え、受け手の感情に配慮して生産的なコミュニケーションを行うことを通して、VEチームを目標達成に導く原動力にならなければならない。一方で昨今、「活動や議論を促進する人」という意味で、ファシリテーターという役割を担う人材が、会議やプロジェクト活動の運営、組織・風土の活性化に -
原子力設備機器に関する材料調達仕様標準化のためのVE活用
原子力発電所は商用運転が開始されてから20年以上が経過し、国内の発電電力量の3割以上を供給しており成長・成熟段階と推定される。原子力発電所の原子力設備を構成する機器(以下機器と称す)は、それぞれ異なる要求機能と使用環境が多く、個別に設計・材料調達・機能向上努力がなされる場合が多い。このため、共通的な材質の機器の素材材料(以下材料と称す)も個別最適化が進み詳細仕様レベルで相違した材料が増加し、調達コ -
機能定義のための逆転発想法
VEの最も特徴的な部分は機能系統図といわれている。機能系統図を作成する上でキーとなることは、上位機能(目的)と下位機能(手段)を整理することであり、その過程で設計の考え方や、チーム員のコミュニケーションが計られている。テアダウンや既存製品の改良品の機能系統図に関しては、部品や部組品があるので、それぞれの機能は比較的簡単に作成でき、その機能の上位機能・下位機能関係を整理することになる。一方新規製品や
1