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デザイン業務の戦略的機能展開とデルタ発想
家電業界は顧客の価値感の多様化,商品のライフサイクルの短縮化,10年前とは比較にならない程の技術革新,および他社との価格競争の激化など,ますます厳しい状況のなかで企業の総合的な体質改善を,更に積極的に展開することを余儀なくされている。こうしたなかで,他社よりも,いち早く市場ニーズを適確につかみ,他社と差別化された商品を提供していかなければならない。当社におけるデザイン部門は,自主独立事業体形式を採 -
機能定義とアイデア発想についての一考察
VA活動が,システマティックに機能を追求するVA技法を忠実に実施することにより,効果的な活動を展開すべきことはいうまでもないが,これらVA活動の成果を左右する最大のポイントは「機能定義」から「アイデア発想」にかけての展開にあるといえる。機能定義は,VAの特徴であると同時に,その重要性は充分すぎるほど認識されているが,この機能定義の表現があいまいであり,また,断定的にすぎると発想が制限されてしまうの -
電子回路VEの展開
近年,電子化製品の急増により,製造原価に占める電子回路のコストウェイトが高まっている。企業経営の収益改善にとって,電子回路のVEアプローチが重要となってきた。本論文は,電子回路のVEの展開について研究したものであり,説明を容易にするために計量機器の具体例をとりあげて記述する。そのため,本論に入る前に,計量機器の電子化移行について説明しておく。計量機器は,その長い歴史のなかで,これまで機械的な方法( -
新工法開発のためのVE手法
本論文は,建設業における「新工法開発のためのVE手法」についての研究成果を発表するものである。この手法の説明は,他産業における「新製品開発のためのVE手法」を参考にしたが,内容の詳細については,建設業の特徴を強調したものになっている。建設業の特徴は,なんといっても「大自然相手の仕事」という一言に尽きる。この大自然相手ということが,制約条件の中でも,大きなウェイトを占めている。VE手法を展開していく -
建設業の性能発注におけるVEアプローチ
建設業においては,昨今,顧客から,建設する施設,建物に対して,必要とする性能(遮音性,断熱性,クリーン度,振動etc.)を満足させることを発注条件として要求してくる形態が増えてきている。現在,花形産業である超小型集積回路,ラジオアイソトープ………等のハイテク関連施設はもちろんのこと,他の用途の施設,建物においても,今後さらに,顧客からの発注条件は増加する傾向にある。我々はこれを"性能発注"と称し, -
パラメータ方式によるコンピュータソフトウェアVAの展開
近年,鉄道会社の駅務合理化に対応して,駅務自動化機器の普及が進んでいる一方,客先ニーズに応えるべく多様化,高度化,コンパクト化された製品とするために,製品へのマイクロプロセッサ搭載が増加した。これにともない,ソフトウェアの開発量の増大,ソフトウェア技術者の人員不足が生じ,ソフトウェアの生産性の向上および開発費の低価格化が重要な課題となっている。今回,定期券発行機の新型機を開発するにあたり,ソフトウ -
工事ソフトVEにおける機能展開
当社は,建設業界の中ではVEを真っ先に導入し,以来,10数年にわたり,作業所におけるハードVE,数年前からは事務部門,管理部門においてもソフトVEと取り組み,着実に成果を上げつつある。しかしながら,われわれ建設業のVE活動のメインはあくまで作業所を中心としたVEであり,かつ,また取り組みやすく,直接的成果も大きいのが特徴である。本論文は,作業所におけるVEの取り組みに対する2回の発表"制約条件とV -
Matrix「VE」の開発 --製品の開発・製造プロセスに対応して進めるVEの新展開プログラム--
VEの対象である一般的な製品の開発は,商品企画から製造までのプロセスを,ある開発期間(時系列)のなかで,順々にステップをふんで進めている。VEは個々の対象に応じて,開発のVE(0 Look VE)設計のVE(1st…)等で,開発プロセスと結びつけ展開しようとしているが,現状のVEのあり方は,いつも対象全体を「一括」(基本機能~未端機能)して扱うことを基本としているため,開発プロセスへの対応・適用と -
効率的VE対象選定法の一考察
この論文は,建築設備工事における作業所VEの対象選定について,新しい考え方を述べるものである。当社では,VE活動における対象選定のステップを,VE計画会議と称して重要な役割を持たせている。基本的にはベストよりベターを狙い,多くのVE対象を選定し改善することで,成果の拡大をはかる作業所VEでは,そのVE対象の良否が,効率よくVE活動を進めるうえでの大きな課題でもある。そこで今回,当支店で実施した過去 -
売価低減曲線による戦略的VE目標の設定
中・長期的な商品に結びついたVE目標を正しく設定することは,VE活動を成功に導くための極めて重要な条件の1つである。一昨年(1983年)に発表した研究論文「原価低減曲線による戦略的VE目標の設定」では,多くの事例の分析結果から導きだされた原価低減式により,あるべき製造原価の中・長期的な推移を予測し,これに基づいた戦略的VE目標の設定法を報告した。この報告では,あるべき製造原価,すなわち必要な利益を
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