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ゼネコンにおける効果的VE活動とその実際 -設備工事部門における作業所VE-
当社でVEを導入して13年になる。現在,設計積算はもとより,事務部門においてもVE活動を行っている。しかし総合建設業(ゼネコン)である当社にとって,VE活動の核となり,また初期より一貫して取り組み発展させてきたのは"作業所VE"である。建築工事の一角を担うわれわれ設備部門においても,昭和40年後期よりVEを本格的に導入している。当初は,VEの浸透を主眼とし建築部門同様に,施工上の諸問題を解決する技 -
実践ソフトVEの進め方 ~その思考展開と留意点~
多くの企業がVEを企業の最重点施策として,多大の成果をあげていることは,周知の事実である。しかし,その内容をみると,製品を対象としたものがほとんどで,サービスいわゆるソフトウェアを対象としたものは,大きな成果を生み出すに至っていない。製品対象のVEも,実施段階で製品・部品の標準化と品質保証を確実に行わないと,間接経費はかえって増加し,トータルコストでは採算にのらない場合が生じてくる。かかる背景より -
改善活動のVE(DVA)
需要低迷の続くなかで人件費,原材料が上昇しており,企業経営は一段と苦しくなっている。このため,各社とも低成長時代を生き抜くために,コストダウン対策に本腰を入れているのは,周知のところである。VEの適用範囲もハードウェアのセカンドルックVEから,ファーストルックVE,さらには0ルックVEへと拡大され,ソフトウェアについても,ムダな経費の節約だけではなく,歩留りの向上,省力化,特に最近では省エネルギー -
製造VEにおける機能定義の考察
VEの技法は,製品VEの基本ステップの応用展開により,製造の領域とか物流の領域への通用等,歴史的な発展の過程を経て,今日多くの対象領域へと拡大され,大きな成果を生みだしている。本論文は,これらの応用展開の1つである製造VEをとりあげ,その中でも,VEの基本ステップの応用が難しいとされている機能定義に焦点をあて,その具体的方法を,実践レベルで提示するものである。製造VEにおける機能定義の難しい点は, -
機能指数による目標製造原価の設定法
製品のライフサイクルにおけるVAの適用時期については,開発設計段階の,いわゆる「上流段階のVA」が重要であり,その効果も大きいことは論をまたないであろう。この論文では,成熟期にある量産製品「事務用,産業用,電子機器,家電製品等」の新製品開発にあたって,目標製造原価のルール化した設定法について,一つの試みを述べる。VA活動を行うに際して,VAによる目標額は,明確に,かつ,VAプロジェクトメンバーを説 -
アイデア比較評価によるVA効率の向上
近年,製品のライフサイクルは,短くなる傾向にあり,新製品,既製品のモデルチェンジを行う期間を短期間に実施することが,激烈なる市場競争に,勝ち残る条件となってきた。VA活動を,新製品の開発,既製品のモデルチェンジを実施する時期に効率的に運用するため,アイデア比較評価法を適用,効果をあげた。アイデア比較評価法の特徴は,要求機能,制約条件に対応するアイデア発想と,アイデア発想から具体化されたモデルに対し -
商品企画段階におけるVE適用 -アナロジーの活用-
70年代は物質的充実時代であった。80年代は精神的充実の時代であるといわれている。消費者が60年代・70年代を通じて,追い求めてきたのは,商品の使用機能が主対象であった。これからの80年代は,必需品を中心とした実用的商品群と,生活を楽しみ,豊かにする一連の商品群との二極分化の時代である。後者にあっては,従来の使用機能を中心としたコンセプト作りだけでは,顧客の要求を満足させる事が困難になりつつあると -
VE情報のシステム化
建設業のVEは,繰り返し効果があまり期待できない。1件1件が,施主,近隣,環境,土質など,種々の制約条件により,新規のVEを実践すると考えて良い。そこで,ベストよりベターの改善案を求め,短時間で数多くのVEを作業所で実施し,建設業固有のVE活動を展開してきている。しかし,毎年,大量のVE実施例が報告され,蓄積されるにいたって,その事例を,いかに有効活用していくかが重要課題となってきた。もちろん,従 -
建設工事における効果的なVE適用の一考察
建設各社が,いろいろな管理技法を導入して,経営の効率化をはかる動きは,近年とくに目立つ傾向にある。「労働集約」,「一品受注生産」,「重層下請」といった特質をもつ建設業界にも,各社なりに工夫を凝らして管理技法の導入,展開が行われて,最近の競争激化への対応がなされている。わが社は,建設業界では,はじめてVEを導入して,12年以上経過した。その間の社内蓄積にもとづき,この報告文は,建設工事における効率的 -
建設業における新しいVEの展開
当社にVEが導入されて以来,約13年を導入期,普及期,展開期,発展期,結実期と分けて振り返ってみると,そのいずれもが,まさに"草の根運動"の連続であった。その成果や活動の状況については,今までの大会でも多数発表したところであり,それらを含めて,これまでの経過を,概略年表式に一覧化すると,表-1のとおりである。この小論は,これらの経験を通じて,今後の一層の発展を期してまとめたものであり,建設工事にお
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