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理想設計と標準化の統合によるコストダウン
昭和30~40年代の高度成長期において,生産の量的拡大を背景とした積極的な設備投資を中心に,生産の効率化を達成して来たわが国の企業は,石油危機を契機に,高度成長から低成長へと急激な転換を迫られ,従来とは全く異った観点から,経営効率化の努力を要請されている。低成長下における経営効率化の課題-まさに今後のわが国産業の死命を制するこの課題-を解決するために,「3Mのインプット減少」による生産効率化に,よ -
新製品開発システムにおけるVEの展開と定着化
昭和35年に当社に導入されたVEは,やがて展開期に入り,現在は全く定着化しているといえます。当録音機事業部においても,44年にVE担当者を設置以来,設計VEシステムが確立されており,日常のVE活動も板についた感じになっております。新製品開発システムの中に,VEをシスティマティックに組込み,設計段階におけるVEを,設計者が容易に取り組める体制を作りあげております。しかしながら,ここに到るまでには,有 -
VEによる標準化の進め方
ステレオ業界は,ポスト・カラーの掛け声に競争が一段と激しくなり,ことある度に,企業内合理化が叫ばれて,VE,標準化等の合理化手法が口にされてから久しい。しかし,実情は,なかなか,これ等の手法の日常化に至らず,それには幾つかの理由が考えられよう。その代表的なものを挙げると,(1) ステレオ商品は趣味嗜好の多様化商品である(2) 技術の進歩が早く安定期がとらえにくい等であろう。ところが,近年生活水準の -
事務のVE
VEの定義では「VEとは,最低の総コストで必要な機能を確実に果たすために製品とかサービスの機能分析と改善に注ぐ組織的な努力である」と唱えて,事務の分野にもVEが適用できるとしている。しかしながら,製品などのハードな対象と比べて,事務に対する適用例は少なく,手法上の問題点の解明についても,十分になされているとはいえない。事務のVEに対する重要性が認識されてきているにもかかわらず,一般には,経費節減運 -
少人数作業所における個人VE
当社におけるVE活動の現状については,過去数回,この大会で発表してきた。その中でも,特に最近は,BESTよりもBETTERの改善結果をねらって,作業所で数多くVE活動を実施するという方針をとってきている。すなわち,VE計画会議によって,問題点の摘出からVEテーマの選定,3時間VEを用いての改善活動,この両者の組み合わせで,着実に成果をあげてきている。しかし,現実の問題として,少人数の作業所が数多く -
有効的なフォローアップを行なうには
今日の過当競争の中で,企業が生き残るには,いかに利益をあげ存続するかによって決定されます。それは,製品の技術,価格,販売力等により左右されます。特に最近の情勢は,価格競争が表面化してきていることは事実です。この価格競争に打ち勝つためにも1個1個の部品単価が深く追求され,いかにしたら,"VE,コストダウン"ができるか,そのVE活動に多くの期待が寄せられています。しかし,製品コストは,設計段階での製品 -
家庭のVE
戦後,わが国の経済は,「20世紀の驚異」といわれる程の高度成長を成し遂げ,これを背景として国民の所得は急増し,消費力も旺盛となり,まさに「昭和元禄」を旺歌してきたが,オイルショックを契機とした資源不足による石油製品および関連製品のコスト高に起因する資材費の高勝を招き,そのあおりで消費者物価も狂乱的に高騰した。この結果,需要は下降の一途をたどり,政府の金融引締め策と相まって経済は縮小し,不況時代へと -
製造現場へのVEの普及
監督者にVEを理解させることについて,現在でも疑問を持つ向きが多い。かってQC,ICがスタッフの独占物であった時代と同じ考えである。しかし現在は,QCサークルの活発化により,製造現場でQCが十分に役立ち,大きな成果をあげている事実は否定できない。さてVEについてはどうであろうか。もし,監督者としてVEが理解できないとすれば,教え方が良くないのであり,理解させる工夫が足りないと考えるべきである。この -
横断VAのアプローチ技法
昨今の企業をとりまく環境条件は,まさしく,戦後史に一時期を画し,経済混乱は,過去何回かの不況時とは,格段の違いを持った様相を呈している。この事は,もはや,かっての10%を越える高度成長の時代は終り,経済体制の転換を示していると言っても過言ではあるまい。高度成長時代に培われた感覚での判断は,非常に危険な常識となりつつある。当社における「VA倍増作戦」の展開も,こうした過去の高度成長時代の常識より脱し
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