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機能テーブルによる設計段階のVEの進め方 ~価値ある製品を設計するために~
VEが日本に導入された当初は,資材費のコスト低減を狙った購買部門の技法として,各企業に広まったが,その後,企業間競争はますます激化し,より大幅なコスト低減を図るため,製品のライフサイクルの上流での適用,つまり,設計段階のVEを進めていく必要に迫まられてきた。そのため,各社ともVE担当部門を,購買部門より技術部門へと移行して,積極的にVEを展開してきた。しかし,われわれVErは,その必要性,効果を充 -
機能評価の意義とその方法
VE実施計画における機能評価の段階は,VE活動の思考展開を特徴ずける重要な過程であると考がえられる。機能を評価することの目的は,つぎの3項に要約される。①改善目標の設定,②低価値機能分野の確認,③改善活動への動機付け。しかし,機能評価に対する一般的理解は,①にのみ重点がおかれ,②,③に対する理解は極めて薄い。もともと,機能評価は革新を予測することであるから,絶対的達成目標を設定することは,困難なこ -
企業内普及のためのVEアプローチ ~13手順への展開化研究とその適用~
市場における国際的な企業間競争の激化,技術革新の飛躍的な進展,労働力不足など,今日,企業における最大の課題は,情勢に対応して,リーダシップがとれるように,企業体質を改革強化しておくことが重要である。すなわち,企業の永続的発展のためには,新製品の開発を中心に生産性の向上,コストダウンおよび安定し,かつ,より適切な製品品質による利益の確保が,絶対的条件であり,そのために激しい企業間競争の背景のもとにあ -
代替業作成過程の構造化とテクニック
思考活動は,その過程で省略があっても,製造活動と異なり,実態が目にみえないので,不良を発見することがむづかしい。そこで,思考の省略を防ぐために,詳細な思考の手順を設定することが必要になる。VEが大きな成果を納めているのは,機能中心の思考もさることながら,思考の過程に一応の手順が設定されていることも,重要な要因であると考えられる。ところが,現状ではVE活動の手順は,まだ充分であるとはいえない。特に後 -
機能評価とコスト配分
必要機能を,最低コストでえようとするVE活動の中に,ある種の沈滞ムードが漂い始めている。VEの導入当初の活動はめざましく,その成果も大きかった。その結果,VE思想が広く普及したことは,産業界にとって,誠に喜こばしいことである。しかし,より高度なものへの発展の突破口が手近かにないため,堂々廻り的活動を余儀なくされているのが,実状であろう。また,VEは理論ではなく,活動であるといわれる通り,その活動範 -
システムの価値を追求するVE
多くの企業が. VEと取り組んで,ほぼ,10年になるが,その間のVEの発展には,目覚ましいものがある。日本にVEが導入された当初は,製品の製造段階での適用を狙った購買関係の技法(PE)として展開された。しかし,今や,製品化前の設計段階,あるいは開発段階での適用がなされ,資源の有効活用のため,システムの価値追求を狙う考え方,技法として重要な地位を築きつつある。このように,VEの体系化は,もち論のこと -
シャーシ引出し機構 -その代替案までの実践的進め方-
検討者は2名,検討期間は30時間である。対象機種(カラーテレビ)は,コスト低減の必要があった。そのため,この機種から22項目のVE対象品が選ばれ,各項目ひとつひとつVEする計画がたてられた。シャーシ引出し機構は,そのひとつの項目である。シャーシ引出し機構各構成部品の情報を収集し,機能定義を行ない,テストまで行なったが,主にその過程の進め方,考え方を中心に記述した。 -
ステレオキャビネットのVE
ステレオ製品の原価の中でキャビネット・コストの占める割合は最大で,シャーシ(アンプ部分〉をしのぐ高価なものである。したがって,企画進行段階でキャビネット・コストの決定は,重要な問題であることは,いうまでもないことである。では,このキャビネット・コストが,どのようにして煮つめられ,決定されていくのであろうか,また,その過程でVE手法は,どのように使用されるべきなのだろうか。 -
製品開発におけるVEの適用について
高度選択社会といわれている現代の技術社会において,技術開発そのものも複雑化し,多様化して,変身している。この高度に複雑化した技術社会における研究開発の分野も同様である。この論文は,このような技術社会における研究開発(R&D)のプロセスは,如何にあるべきか,また,そのプロセスの中で,価値工学(VE)は,どのように適用されていくかを中心に論じたものである。 -
新製品開発へのVE手法の適用 ~類似機能製品より展開していく方法~
新製品開発へのVEの適用というと,一般に要求仕様から展開するファースト・ルックVEが考えられるが,ここに紹介する方法は,類似機能をもつ製品から展開していく方法である。すなわち,類似機能製品の機能系統図より基本機能だけをとらえ,この基本機能を満足する二次機能,部分・部品機能をアイデアにより展開して,これを評価して新製品としての機能系統図を作成し,これを具体化して新製品を開発していこうとする方法である