論文
VE実施手順の機能定義段階で定義した機能は、アイデア発想の起点となり、価値の高い代替案を作成する上で重要となるが、従来のVE手法では、定義された機能が正しいか、抜けが無いかを客観的に確認することは難しい。
そこで本研究は、特許という外部の知識データベースを用いることで、機能の抜けが無い機能系統図を作成することを目的とし、特許を活用した機能系統図作成の手順を提案する。製品の改善VEに本手順を適用し、有用性を確認した。
本手順を用いて、特許から達成したい機能(目的機能)を抽出し、対象テーマの機能系統図に融合させることで、果たすべき機能という視点から機能の定義を行なうことができた。さらに、機能の抜けを防ぐだけでなく、上位の機能分野を定義することができ、より価値の高い代替案を作成できる可能性があることを示した。
目次
1. はじめに
2. 特許を有効活用するために必要な知識
2.1 特許情報とその特徴
2.2 特許分類
2.3 特許を出願するに至った課題とその解決方法
3. 特許情報活用の手順
4. 製品改善VE への適用の結果
4.1 適用対象テーマ
4.2 手順1:対象テーマの機能定義
4.3 手順2:特許の抽出
4.4 手順3:目的機能の定義
4.5 手順4:対象テーマの機能系統図と目的機能の融合
5. 考察
5.1 特許分類を活用した特許の絞り込みと目的機能の定義
5.2 対象テーマの機能系統図と目的機能の融合
5.3 機能評価・代替案作成段階での特許の活用
6.おわりに
発行年
2015年 VE研究論文集 Vol.46著者
- 株式会社IHI
技術開発本部 ものづくり推進部
課長代理 - 宮田 仁奈 VES
- 株式会社IHI
調達企画本部 グループ調達企画部 調達エンジニアリンググループ
主査 - 牧野 公一 CVS
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