論文
高速道路は都市内道路網全体の交通処理能力を向上させ、お客様に安全・円滑・快適に利用していただくため、様々な管制用機器と運用ソフトウェアで体系的・効率的に構成された「交通管制システム」により道路の管理・運用支援を行っている。このシステムでは、システムの多様化・高度化に伴うリスク回避策として“バックアップシステム(以下・BUS)”が検討されている。ICT技術の急速な進展は、これまでの経験則では全く想定できない様々なリスクの脅威が存在することを認識しつつも、その全容と詳細および対処法が全く把握できていないのが現状である。そこで本論文では、未来志向的なリスク管理手法である、「逆転発想思考アプローチによる創造的リスク対策」手法を、高速道路管制システムのBUS計画案に対して導入し分析・検証を行った。その結果、実効性のあるリスク評価結果が得られ計画案の見直しを行うに至り、基本的にあらゆる製品・サービスのリスク対策手法としての有効性が示唆された。
目次
- 1.はじめに
- 2.交通管制システムの当初のリスク対応策
- 3.ケース事例~高速道路交通管制システムのリスク対応プロセス
- 3.1 対象システムの設定(ステップ1):【分析段階】
- 3.2 リスク状況の整理(ステップ2):【分析段階】
- 3.3 リスクの体系化(ステップ3):【分析段階】
- 3.4 リスクネックゾーンの把握(ステップ4):【分析段階】
- 3.5 リスク達成アイデア発想(ステップ5):【創造段階】
- 3.6 リスク発生に必要なリソースの把握(ステップ6):【創造段階】
- 3.7 リスク発生シナリオの作成(ステップ7):【対策段階】&リスク対策案の作成(ステップ8):【対策段階】
- 4.結果に対する考察
- 5.今後の課題
発行年
2011年 VE研究論文集 Vol.42著者
- 首都高速道路株式会社
保全・交通部 保全企画グループ
課長代理 - 中原 格 VES
- 早稲田大学理工学術院
創造理工学研究科 経営デザイン専攻
教授 - 澤口 学 CVS
カテゴリー
- VEの適用局面
購入
この論文はPDF版をご購入いただけます。
ご希望の方は「カゴに入れる」ボタンをクリックしてください。