論文
VEは、価値向上を改善の目的とする優れた方法論である。より多くの経営者に理解され、より広い領域に適用され、より大きな効果を創造するために は、価値向上の効果を目に見える形で示したい。そのためには、定性的な表現や精神論ではなく、定量的で具体論とするべきである。特に、機能(F)の変動を 伴う価値向上時が、とりわけ困難である。
そこで、本論では、あらゆる価値向上のパターンに適用でき、その経済効果を厳密に計算する式を提案する。この式により、これまで、提案者の説明力と被提案者の理解力に依存していたものが、客観的に表現されるようになる。
さらに、価値(V)による判断を補完する新しい指標として、パワー(P)を提案する。FとCから計算されるPは、Vと共に用いることで、さらに経営判断を助けるものとなる。価値の概念がより強調され、経営の進むべき方向と力の掛け具合が明確になる。
全編をとおして、筆者が特に伝えたいことは、VEをコスト削減のためだけに使うのではなく、あらゆる価値向上に活かしていこうということである。
目次
- 1 はじめに
- 2 VEはコスト削減ではない
- 2.1 「価値向上の原則」の本質
- 2.2 最適案選定の葛藤
- 2.3 正味節約額と投資倍率の限界
- 3 経営者の期待
- 3.1 経営に不可欠なコスト削減
- 3.2 リスクの少ない予実管理
- 3.3 経営者の期待に応える新しい提案
- 4 価値向上時における厳密式
- 4.1 本当の節約額とは
- 4.2 正味経済効果を算出する厳密式
- 4.3 コスト削減と価値向上の決定的な違い
- 4.4 過剰機能を取り除いた場合の確認
- 4.5 厳密式のためのF値の計算
- 4.6 詳細評価における使用例
- 5 パワーによる評価
- 5.1 出力を示すパワーとは
- 5.2 Pの有効性
- 5.3 価値とパワーによる経営状況の見え方
- 5.4 価値とパワーによる管理への活用
- 6 VE活動への実践的活用法
- 6.1 厳密式やパワーの活用に優れたVE対象
- 6.2 VE実施手順への追加
- 7 おわりに
発行年
2012年 VE研究論文集 Vol.43著者
- 株式会社ファンクショナル・アプローチ研究所
代表取締役社長 - 横田 尚哉 (CVS)
カテゴリー
- VEテクニック
キーワード
- コスト削減
- パワー
- 価値向上
- 厳密式
- 正味節約額
- 経済効果
購入
この論文はPDF版をご購入いただけます。
ご希望の方は「カゴに入れる」ボタンをクリックしてください。