論文
公共団体におけるVEの導入目的には、コスト縮減だけではなく、組織内の横連携強化や意思決定の迅速化などがある。その場合、VEは、企画段階にお ける意思決定ツールとしての活用効果を期待されている。そして、意思決定ツールとして活用するうえで、手軽にワークショップを行う方法についての要望は多 い。
公共事業の企画段階で意思決定ツールが必要とされる背景に、公共事業に求められるニーズが複雑化、多様化していることがあげられる。このことは、まちづくりや防災分野、環境分野など特に意思決定の過程が複雑な事業において顕著である。
筆者は、今後のVEの公共事業における展開を広げるために、これらの分野における活用方法を提供することが重要と考えている。
本 稿では、防災分野と環境分野の両面の要素を持つ事業を対象に、その企画段階において、意思決定ツールとしてVEを活用する場合の留意点やその効果について 考察し、工夫すべき点について検討し、実際にワークショップを行った例を紹介する。そして、この題材を通じて公共事業の企画段階へのVE の適用の可能性について述べる。
目次
- 1 はじめに
- 2 防災分野について
- 2.1 対象事業の計画手法の現状
- 2.2 土砂災害対策分野について
- 2.3 渓畔林保全工について
- 3 実施方法の考察
- 3.1 機能定義段階
- 3.2 機能評価段階
- 3.3 代替案作成段階
- 3.4 意思決定ツールとしてのワークショップ計画上の留意点
- 3.5 VEを活用した意思決定ツールの手順
- 4 実施事例
- 4.1 実施対象
- 4.2 意思決定ツールを適用したワークショップの実施
- 4.3 本ワークショップの効果
- 5 意思決定ツールにVEを適用する効果
- 6 おわりに
発行年
2012年 VE研究論文集 Vol.43著者
- パシフィックコンサルタンツ株式会社
VEセンター
センター長 - 木守 岳広 (CVS)
カテゴリー
- VEの適用局面
キーワード
- コンセプト
- 企画段階VE
- 公共事業VE
- 意思決定ツール
- 開発段階VE
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