論文
現在の日本経済は厳しい環境下にあり、価値向上を目的とするVEの必要性が高まってきている。VEは広範囲な事業分野に普及しつつあり、VEに取り 組む企業やVEL取得者も増えてきているが、VEが使いこなされ定着化してきているかというと、そこまでには至っていないのが現状である。VEが誰にでも 実践できない理由として、VE実施手順の代替案作成段階におけるアイデア発想、欠点克服のアイデア発想での行き詰まりが挙げられる。この打開策として、ア イデア発想をサポートする効果的な手法を望む声も高まっている。
一方、TRIZは、250万件を超える特許分析により、問題解決の方向性、 アイデア発想の視点・観点等を体系化したもので、VEへの活用については、これまでも取り上げられてきているがVE実施手順にどのように活用するかについ てはまだ確立されていない。そこで、一般的な製品改善のVE実施手順のどの段階にどのようにTRIZを活用するかについて具体的方法と手順を提案する。活 用段階は代替案作成段階における「アイデア発想」と、「具体化における欠点克服」であり、「技術的矛盾の解決アプローチ」と「物理的矛盾の解決アプロー チ」を活用する。
本論文をVEにおけるアイデア発想のツールとして活用することにより、VE活性化の一助となれば幸いである。
目次
- 1.はじめに
- 2.VEへのTRIZ活用について
- 3.TRIZと発明原理抽出テーブルおよび発明原理リスト集の活用提案
- 4.VEにおけるTRIZ活用の具体的展開
- 4.1 TRIZ活用によるアイデア発想の手順
- 4.2 TRIZ活用による欠点克服の手順
- 5.まとめ
発行年
2012年 VE研究論文集 Vol.43著者
- 三菱電機株式会社
生産技術部 生産技術グループ
専任 - 三好 達夫 (VES)
カテゴリー
- VEテクニック
キーワード
- 40の発明原理
- TRIZ
- VE実施手順
- 分離の原則
- 改良パラメータ
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