公共工事へのVEシステム導入に関する提案

論文

日本の社会資本整備は、「標準多量型整備」から「個別吟味型整備」へ移ることが求められている。そのためには、「改善」という概念の導入が設計段階に必要となる。VEは、公共事業の改善に有効なツールである。しかし、その適用は、個々の業務で考えるのではなく、事業全体で考えなければ大きな効果が得られない。すなわち、バリュー・マネジメント(VM)である。

公共事業へVEを導入するためには、5つの制度と4つの環境をシステムとして整えなければならない。5つの制度とは、①人材育成のための教育制度、②効果的適用のための適用制度、③改善効果を上げるための実施制度、④品質を確保するための評価制度、⑤動機付けのための報酬制度である。また、4つの環境とは、①積極的な適用のための競争環境、②繰り返し適用するための改善環境、③外部技術者の適用のための契約方式、④旧来の制約から解放された法律体系である。

本論分では、これらの9つの制度や環境を統合し、VEシステム体系として位置付け、相互の有機的関連について新しい提案とした。さらに本提案の有効性をO県で実証した。

目次

  • 1 はじめに
  • 2 公共事業の改善点
  • 3 公共事業へのVE適用に必要な基盤
  • 4 O県における新しいシステム
  • 5 これからの取り組み
  • 6 新しいシステムの提案
  • 7 おわりに

発行年

2005年 VE研究論文集 Vol.36

著者

パシフィックコンサルタンツ(株)
VE推進室
横田尚哉
大分県
土木建築部 建設政策課
中村充宏

カテゴリー

  • VEの適用局面

キーワード

  • VEシステム体系
  • バリュー・マネジメント
  • 公共事業
  • 改善設計
  • 社会資本整備

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