論文
VE活動を通して検討・提案される代替案は、総じて設計内容が抽象的で、ダイレクトに試作・実験等による技術評価を行うことは難しい。そこで、従来からこのような場面では、手軽に活用できる主観的評価法(レーティングなど)を用いることが多いのだが、評価のよりどころとなるモデルがあいまいな(あるいは存在しない)ため、評価結果にチーム内での合意がともなわず、混迷する場合も少なくない。
そこで本論文では、主観評価ではあっても、評価のよりどころとして効用関数を活用する合理的な設計評価法を提案するものである。具体的には、「ウェーバー・フェヒナーの法則」に基づいた「対数効用関数(関数の決定にはAHP手法を利用)」を活用した代替案評価法を開発している。
なお、提案評価法は、広くプロジェクト型製品設計活動での活用を前提としているので、実際にA社の3Dモデリングマシンのスプンドルユニット開発プロジェクトで適用し、メンバ一間の合意形成による評価法としてその有効性を検証している。
目次
- 1. はじめに
- 2. 提案評価法の特徴
- 3. 提案評価法の意思決定フロー
- 4. A社の製品改善プロジェクト活動での適用事例
- 5. 提案評価法の有効性に関する考察
- 6. まとめ
発行年
2002年 VE研究論文集 Vol.33著者
- 学校法人産業能率大学
教育・コンサルティング部 - 澤口学
カテゴリー
- VEテクニック
キーワード
- AHP手法
- ウェーバー・フェヒナーの法則
- プロジェクト型製品設計活動
- 代替案評価法
- 効用関数
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