論文
建築工事におけるVE検討は、設計・入札・見積・調達・施工の各段階で企業にとっての受注拡大や利益確保のために実施されている。しかしながら、工事項目が多岐にわたり設計図書が多くなると、有効なVEの対象分野を選定できず、総花的なCR案の提示や仕様の変更提案に終始してしまい、顧客や設計事務所から不信感を持たれる場合も散見される。VE検討が徒労に終わらぬためには、VE検討チームは顧客・設計者の意図を的確に把握するとともに、それを満足する提案をすべきである。ここでは、設計者とVEチームが共通の基盤を持つために、設計図書の表記内容を現行の仕様規定から性能規定に変えることを提案する。そして、機能定義の段階で性能を重視し、設計図書から目標値を類推しながらアイデアを洗練化することにより、ほかの性能に対しての検討も広がり、原設計より性能が上回る仕様が具体化され、波及効果の期待できる提案であることを確証した。
目次
- 1. はじめに
- 2. 建設VEの現状
- 3. 設計図書の現状について
- 4. 設計図書の「あるべき姿」の提案
- 5. 提案の検証
- 6. 考察
- 7. おわりに
発行年
2000年 VE研究論文集 Vol.31著者
- 鹿島建設株式会社
建設総事業本部 建築技術本部 バリュー・エンジニアリング室 - 柏原忠茂
カテゴリー
- VEテクニック
キーワード
- 仕様変更
- 仕様規定
- 建設VE
- 性能表示
- 性能規定
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