論文
企業にとって製品のシリーズ化は、既存技術や改良技術によって既存市場を深耕していく上で非常に有効な販売戦略である。この戦略の下にメーカーは価格づけを行うが、その合理的な根拠は明らかではない。望ましいのは顧客の視点に立ったシリーズ製品の合理的な評価法の確立であるが、現実にはまだなされていない。
本研究はこの方法論の確立を指向したものである。シリーズ製品の例としてカラーテレビを取り上げ、まず、アンケート調査によって調査対象者にシリーズ製品のそれぞれの評価とこれらの製品間の性能差を評価してもらう。次いで、調査対象者の個々人の暖昧な評価額を統合する。さらには、調査対象者全体の代表的評価額と購入率を算出する。これらのプロセスを経ることにより、シリーズ製品の金額評価を合理的に行う方法を提案するものである。本研究で提案する評価法は、企業が製品のシリーズ化を行う上で戦略的売価設定法として活用されよう。
目次
- 1. はじめに
- 2. 従来の研究と本研究の概要
- 3. 本研究における評価方法
- 4. 調査対象者個人の評価額の算出
- 5. 調査対象者全体の代表的価格と評価額分布の算出
- 6. 全体の購入率の把握
- 7. おわりに
発行年
2000年 VE研究論文集 Vol.31著者
- 東京理科大学
理工学部 経営工学科 - 松岡隆志
- オハイオ州立大学
経営学部 - 細川昌俊
- 東京理科大学大学院
理工学研究科 経営工学専攻 - 森田洋介
カテゴリー
- VEテクニック
キーワード
- 代表的評価額
- 差額評価額
- 畳み込み
- 線形情報統合法
- 製品評価
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