論文
筆者がまだ設計の仕事に専念していた頃(1963-1985)、いくつかの製造業や食品加工工場の仕事に関与したことがある。その内のいくつかは、まだVEやプロセス・フロー・チャート技法など知らないままにやった仕事である。そして1960年代後期にはコンピューター・プログラミングの基本技術を習得し、それがソフトウェア・プログラム開発のフロー・チャート作りに役立った。
VEを勉強してから最初に化学工業タイプの施設に関与したのは、1987年に韓国の合成化学工場においてであった。このプロジェクトでは、筆者が1970年代後半に開発し、日本にも紹介した"エネルギー・バリューマネジメント理論"も適用した。
筆者が化成工業分野で本格的なVEに取り組んだのは1989年であった。まだこの業種に不慣れだったこと、チーム・メンバーの中にも具体的な化学プロセスを知らない人もいたなどの事情から、彼らの演習材料としてまずプロセス全体の完全なFASTダイアグラム(機能系統図)をチームワークで作らせた。そのプロジェクトでは、10段階のプロセス・ステップが並んでいた。プロセスの段階毎の入口(input)と出口(output)に焦点をおいて見て行くと、一連の論理的パターンが浮彫りにされてきた。それを最初として、多くのプロセス・プロジェクトに参画し、その結果をまとめ上げたのが、このProcess FASTまたはPro-FASTの技法である。
Pro-FAST技法は、プロセス・タイプ(装置工業)の対象プロジェクトをまず、ごく簡単なブロック・フロー・チャートでとらえて、それを単純な"包括的マスターFASTダイアグラム"に"変換"して研究するアプローチである。次に、そのマスターFASTダイアグラムを"拡張"して使うと、特定のプロセスの中に現れるすべての二次機能が捕捉できる。
目次
- 前おき
- プロセス・フロー・チャート
- プロセス・フロー・チャートからマスターFASTダイヤグラムへ
- コストの配分
- 機能ブロックの拡大
- "つなぎ"と"移し換え"の機能
- 結論
発行年
1996年 VE研究論文集 Vol.27著者
- VEI社
- ウィリアム・F・レンザ一
カテゴリー
- 寄稿論文
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