論文
現在、建設省総合技術開発プロジェクトで開発中の新建築構造体系が確立すれば、構造設計者はコストエンジニアリングの一環として、自由なアイディアで技術提案をして構造設計が可能になる。その際の技術提案の最有力候補の一つに免震構造の採用が考えられる。
しかし、これまでの免震構造はコストは多少アップするが、機能(耐震性能)を大幅に向上させることで、価値を高めてはいるが、高い耐震性能が要求される一部の用途を除き、コストアップを許容しにくい一般建物への普及にまでは至らなかったのが実状である。
そこで、本論文ではコストアップの問題点を定量的に整理した上で、従来型の耐震構造の代替案として免震構造を採用した場合の設計VEの可能性と有効性について検討を行い、その有効性を確認した。
さらに、新しいコスト評価手法として、地震に対するリスク管理を含めたライフサイクルコストの低減についても免震構造の有効性を示した。
目次
- 1. はじめに
- 2. 免震構造の概念とその設計VEの意義
- 3. 1995年兵庫県南部地震と新建築構造体系
- 4. PCa化による施工VEの限界と免震構造による設計VE
- 5. 免震建物の地震応答特性と耐震性能
- 6. 地震荷重の増減によるコスト変動
- 7. 免震建物のイニシャルコスト
- 8. 免震建物のコスト増減要因
- 9. 免震建物のライフサイクルコスト
- 10. 地震に対するリスク管理とライフサイクルコストの低減
- 11. おわりに
発行年
1996年 VE研究論文集 Vol.27著者
- 株式会社フジタ
技術研究所 - 平澤光春
- 株式会社フジタ
構造研究部 - 三瓶昭彦
- 株式会社フジタ
構造研究部 - 佐藤健
カテゴリー
- VEの適用局面
キーワード
- コストエンジニアリング
- ライフサイクルコスト
- リスク管理
- 免震構造
- 建設設計VE
- 性能設計
- 新建築構造体系
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