論文
VEの基本的指針ともいえる「価値向上の原則」は、他の手法には見られない極めて特徴的な理念である。しかし、この「価値」とは分子分母の関係における比率尺度であること、そして必ず比較対象を有する相対尺度であることから、環境条件や観測者の違いによって様々な評価がなされ、その取扱いに苦慮する場合が多い。とりわけ、近年の急激な環境変化や価値観の多様化は、売れる商品づくりのための「価値の見極め」を一層困難なものとしている。
本稿では、顧客が認める価値のメカニズムを明らかにし、それを感度良く捉えることで、顧客ニーズを見逃すことなく構想案の提案まで持込むための一連の考え方と手順を検証された一手法として紹介する。
目次
- 1. はじめに
- 2. 商品開発現場での問題点
- 3. 意思決定因子の捉え方
- 4. 価値のメカニズム
- 5. 価値の作り込みプロセス
- 5.1 アイデア構成化段階における問題点と背景
- 5.2 顧客ニーズに基づく付帯機能の抽出方法
- 5.3 効率的運営のためのアイデア体系化の方法
- 5.4 価値指数の定量化と実施方法
- 5.5 アイデアの構成化における価値指数の活用
- 5.6 成果と活用上の留意点
- 6. おわりに
発行年
1994年 VE研究論文集 Vol.25著者
- 住友重機械工業株式会社
搬送物流システム事業部 生産管理部 - 青野洋己
カテゴリー
- VEテクニック
キーワード
- 付帯機能
- 価値指数
- 価値最大化案
- 意思決定因子
- 高感度価値評価
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