論文
本論文は、従来のVE概念を発展させ、V=F/Cの概念式にあってFの今日的思考Cの真のライフサイクルコストの捕え方をベースに、新時代に対処できるような新しいVE概念について考え、それに基づいたモデル式を提唱し、ワンサンプルによるモデル式の検証を行ったものである。
一言で述べると価値概念の総合化を狙ったものであるが、Fの従前の使用価値概念から、商品やサービスを提供する企業や、それらのライフサイクルの間に発生する多くの価値、廃棄に至るまでの社会に与える価値に発展させたものである。
具体的には省資源的要素に時間関数を考慮する事により商品ライフサイクル間(発売~廃却)での価値変化を面積で評価するものである。
更に、資源の再利用の時代を控え、廃却時にリサイクル率を評価する事により総合価値評価に近づけると同時に、廃棄していた資源の再利用による新たな価値の発生、価値変化に連続性を持たせ再利用段階に於ける価値評価への期待を残している。
このモデル式を適用する事により生産側での総合的な商品評価が可能になり、前段の社会ニーズに適合した商品を開発する際のツールの一助となり、更に言えばVEのより広範囲な適用へ繋がる可能性を秘めた概念であると考える。
目次
- 1. はじめに
- 2. 本論文に至る背景
- 3. 新VE概念のモデル式
- 4. モデル式の構造
- 5. ワンサンプルによる評価事例
- 6. 今後の課題
- 7. 最後に
発行年
1993年 VE研究論文集 Vol.24著者
- いすゞ自動車株式会社
商品企画室 原価管理担当 - 佐藤嘉彦
- いすゞ自動車株式会社
商品企画室 原価管理担当 - 渡辺美稔
カテゴリー
- マネジメントとVE
キーワード
- VE概念
- ライフサイクルコスト
- リサイクル率
- 価値概念
- 社会価値
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