論文
物質的な過飽和社会の中で、顧客に満足を与える商品を創造するためには、商品企画段階における徹底した価値の追及が必要である。しかし、「価値」という言葉のもつ曖昧さにより、その核心を突くことは、極めて困難である。本論文は、価値工学の立場から概念的な商品価値を実体的な商品価値として把握し、その追及を容易にした。具体的には、まず新商品とは何かを明確にするために、企業の立場から新商品を3つの種類に大別し、さらに使用価値型商品と感性価値型商品という2つの対極を設定した。次いで、再上位機能の定義の中に、副詞または形容詞の活用という考え方を導入し、新商品に高い価値を付加する技法を確立した。最後に、従来のVEの基本式を分析し、各種の商品戦略(8つのVE戦略)に活用できる新しい価値の方程式を提起した。その結果、VEの活用により、強力な訴求点をもつ商品の企画が容易になると共に、企業の商品戦略に直結したVE活動の展開が可能になった。
目次
- はじめに
- 1. 企業からみた新商品とは
- 2. 企業戦略とVE
- 3. 商品企画段階の価値の追及
- (1) 使用価値型商品と貴重価値型商品
- (2) 感性価値を追及するキーワード
- 4. 最上位機能の定義による新商品の企画
- 5. 商品戦略に直結したVE活動の展開
- 6. 感覚的な価値からみたVEの基本式
- むすび
発行年
1991年 VE研究論文集 Vol.22著者
- (有)日本VE推進社
- 小川政夫
カテゴリー
- 開発設計とVE
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