論文
当佐和工場は,自動車機器専門工場として,昭和43年に設立されて以来,顧客第一主義をモットーにし,製品機能をより確実に,より安く達成することを使命と考え,全従業員の総力を結集してVEC活動を展開してきた。
しかし,昨今の急激な円高ドル安の進展等世情の急変により,より一層の価値改善努力が急務となってきている。
そのため,製品開発段階では,0 Look-VECとか1st Look-VEC という形で,構造方式面に力点を置いたVEC,さらに生産段階では,2nd Look-VECとして生産性,組立性に力点を置いたVEC等あらゆる局面で一段と強力なVECの展開をしてきている。
その一環としての当工場の,主力VEC展開に製造VECがある。
この製造VECは主として加工費を対象とすることから,その実施に際しては,加工(組立)の現状を早く正確に把握し,その問題点やネックポイントを深く認識の上,改善ポテンシャルの摘出から多くの良質のアイデアが創出できるようにすることが重要である。
そのために,製造VEC手法として工程や工程要素分析等の各種分析技法が用いられてきたが,いずれも対象部品(作業)のみに分析範囲を絞った技法であるため,改善された結果が,他の類似機能部品(作業)と比較しベストの価値改善ができたかどうかは必ずしも明確でなかった。
本論文は製品機能をより確実にし,製造上の価値を向上させるため過去のベストな類似機能部品と各要素について対比し弱点部分を改善するヒントの摘出からアイデアの発想を容易ならしめ,価値を上げていく技法である。
なお,当社では61年9月より従来使用していた"VA"の呼称を"VEC" [Value Engineering For Customers:顧客指向の価値改善] [マーケティングに基づく顧客ニーズを踏まえた開発段階からの活動] に変更したので,本論文では全て"VEC"と表現している。
以下その内容を紹介する。
目次
- 1. はじめに
- 2. 本技法開発の背景とその考え方
- 3. 本技法の推進ステップとその内容
- 4. まとめ
発行年
1987年 VE研究論文集 Vol.18著者
- 株式会社日立製作所
佐和工場 資材部 VECセンタ - 秋葉光一
カテゴリー
- VEの適用局面
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