コンピュータ活用によるVA活動の効率化 -システム計画技法TUPPSによる展開-

論文

本論文はVA活動に対してコンピュータを導入し,VA活動そのものの効率化を図ることを目的とする技法について述べたものである。

社会構造の高度化に伴ない,大規模・複雑なシステムが要求される時代である。当工場は受注生産方式にて,製造している,製品が多いが,顧客要求に対し,要求機能の最大限達成と提供価格の低減を行うとともに,当工場内に発生するコストの低減に対し,VA活動を行い,適正な利益確保を行っている。顧客を満足させ,企業利益を確保する期待に応えるためにVA活動の拡大と有効な活用が望まれている。高度情報社会を迎え,コンピュータの活用が各分野において適用されているが,VA活動分野への適用も例外ではない。このような環境の中でVA活動に必要な客観的分析,コスト分析,アイデアの多面的組み合わせ,ビジュアル化,整理およびデータベース化など人手作業では大変な作業となる部分をコンピュータの持っている特徴を備えたツールの適用によりVA活動を支援するシステムの完成がバリュー・エンジニアの間で望まれるようになってきた。本論文はこのような背景からシステム計画技法TUPPS(Tool,User and Project-Planner System,以下TUPPSという)とコスト情報システムをVA活動に融合させ,人手作業をコンピュータ処理に置き換え,VA活動の効率化をはかる,システムの構築例を示し,その内容の要点を紹介するものである。

ここでは機能整理から機能系統図,アイデア整理からアイデア体系図等,VA活動で最も重要視されるジョブプランに,システム計画技法TUPPSを中心に構築したVA機械化システムによるVAの展開,およびVAコスト情報の収集に対する原価構成ツリーへのコンピュータ応用について述べ,VA活動作業の効率化へ,いかに貢献できるかを示すものである。

目次

  • 概要
  • 1. はじめに
  • 2. VA活動の現状と問題点
  • 3. VA活動へのコンピュータ支援のポイント
  • 4. TUPPSによるVA展開
  • 5. VA活動へのTUPPS活用のテクニック
  • 6. VAコスト情報のコンピュータ処理について
  • 7. コンピュータ活用によるVA活動の効果
  • 8. おわりに

発行年

1986年 VE研究論文集 Vol.17

著者

株式会社東芝
府中工場 技術情報システム部
村上勝
株式会社東芝
本社 産業システム技術部
掛札栄昭
株式会社東芝
府中工場 ソフトウェアシステム部
佐藤恵子

カテゴリー

  • VEの適用局面

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