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VE推進マネジメントに関する13章
VE推進マネジメントに関する13章
わが国にVEが導入されてから,はや20数年が経過した。当初,VEは,経営レベルによって導入されたこともあり,マネジメント・レベルでのVEに対する関心は,非常に強いものがあった。
その後,年月を経るに従って,技法の実践的側面だけが急速に進歩し,実践技法とVEマネジメントとの間の距離は,次第にひろがって行った。
製品をただひたすらに製造するだけで,大きな利益を得ることができた高度成長期には,技法独走型のVE活動から得られる成果だけで,企業は十分満足することができた。しかし,安定成長期に入り,環境が変ると,このようなVEだけでは,企業が必要とするVE成果の達成は困難になってきた。
ここで再び,企業経営に結びついたVE活動の必要性が浮かび上がり,「経営に密着したVEの展開」('85年大会スローガン)すなわち,VE推進マネジメントを模索する時代へと突入した。企業会計とVE成果額との結びつきをテーマにした研究会が発足したのも,この流れを示す1つの事例である。
本大会のスローガンである「VEによる経営効率化への挑戦」もこの流れを示すものである。
本論文は,このような背景から,企業経営とVEをどのようにして結びつけるかをテーマとして取り上げ,その基本的な考え方をまとめたものである。