論文
わが国にVEが導入されてから,はや20数年が経過した。当初,VEは,経営レベルによって導入されたこともあり,マネジメント・レベルでのVEに対する関心は,非常に強いものがあった。
その後,年月を経るに従って,技法の実践的側面だけが急速に進歩し,実践技法とVEマネジメントとの間の距離は,次第にひろがって行った。
製品をただひたすらに製造するだけで,大きな利益を得ることができた高度成長期には,技法独走型のVE活動から得られる成果だけで,企業は十分満足することができた。しかし,安定成長期に入り,環境が変ると,このようなVEだけでは,企業が必要とするVE成果の達成は困難になってきた。
ここで再び,企業経営に結びついたVE活動の必要性が浮かび上がり,「経営に密着したVEの展開」('85年大会スローガン)すなわち,VE推進マネジメントを模索する時代へと突入した。企業会計とVE成果額との結びつきをテーマにした研究会が発足したのも,この流れを示す1つの事例である。
本大会のスローガンである「VEによる経営効率化への挑戦」もこの流れを示すものである。
本論文は,このような背景から,企業経営とVEをどのようにして結びつけるかをテーマとして取り上げ,その基本的な考え方をまとめたものである。
目次
- はじめに
- 第0章
- 第1節 原点0からの出発
- 第2節 0 Look VEの重要性
- 第1章
- 第1節 VEは変化に対応するための管理技術の1つ
- 第2節 VEは企業経営を支える管理システムの1つ
- 第2章
- 第1節 製造業の企業経営を支える2本の柱
- 第2節 VEは機能とコストの2つの側面からの追求
- 第3章
- 第1節 VE 3つの認識レベル
- 第2節 管理技術 3つの基本プロセス
- 第4章
- 第1節 VE中長期計画の必要性 4つの理由
- 第2節 VEの進め方 4つの特徴
- 第5章
- 第1節 VEを成功に導く5つの条件
- 第2節 VEにおけるチーム活動 5つの効用
- 第6章
- 第1節 VEのアイデアを生み出す6つの脳力
- 第2節 チーム活動に必要な創造的人間像6つの性質
- 第7章
- 第1節 VE 7つの基本ステップ
- 第2節 VE 7つの大罪
- 第8章
- 第1節 VE推進マネジメント 8つの手順
- 第2節 VEを阻害する8つの関
- 第9章
- 第1節 顧客を指向する9つの機能
- 第2節 VE推進に必要な9つの関連技法
- 第10章
- 第1節 VE成熱製品をVEするための10のポイント
- 第11章
- 第1節 繰返しVEにおいて発掘される11項目のアイテム
- 第12章
- 第1節 拡大する新分野のVE 12の技法例
- 第13章
- 第1節 マイルズの13のテクニック
- むすび
発行年
1986年 VE研究論文集 Vol.17著者
- 株式会社東芝
本社 資材部 VA推進担当部 - 小川政夫
カテゴリー
- マネジメントとVE
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