論文
最近のVEプロジェクトにおける対象は,現流製品から川上指向型即ち開発製品を対象とした,0 Look VEに活動の主体が移ってきている。その理由,目的は色々あるが,しかし企業経営という立場から見た場合,企業の経営基盤は,従来からある製品構成をベースに,機能を追加しプライスを下げて商品価値を向上・伸長させてきたいわゆるマイナーチェンジ製品である。当社における製品構成比率は図1に示すが,マイナーチェンジ製品が1次,2次を合せて約80%を占め,企業経営面への寄与も大である。従ってこれをどのように分析するかが経営体質に大きく関与してくる。そこで本論では,「0 Look VE」路線から今一度原点に立ち返って,経営上のウェイトが高い現流製品をベースにしたVE,即ちマイナーチェンジ製品を対象としたVE活動を新たな目で考察を加え,効果的なその進め方について提言することを目的とする。以下本論で用いるマイナーチェンジ製品とは何か,その用語を次の通り定義づけする。
(1) 新分野開発製品とは(図1の注1参照)
市場にこれまで類似機能を有する製品がない独創的製品で,その範囲は図2に示すごとく,価格的物量的に製品が安定した生産形態に達するまでの製品とする。
(2) 1次マイナーチェンジ製品とは(図1の注2参照)
新分野開発製品が安定化した後,弊害機能の改良など,顧客メリットを加え継続的に市場で発表される製品とする。
(3) 2次マイナーチェンジ製品とは(図1の注3参照)
既存製品をベースに新たに機能を追加,あるいは機能の拡張,他機能製品とのドッキングなど,発展的に開発された製品とする。
目次
- 1. はじめに
- 2. マイナーチェンジ製品の特徴と問題点
- 3. マイナーチェンジ製品のVEステップ概要
- 4. 戦略的VE活動の展開
- 5. 適用効果
- 6. おわりに
発行年
1986年 VE研究論文集 Vol.17著者
- 日立熱器具株式会社
設計部 VAグループ - 白川忠義
カテゴリー
- VEとマーケティング
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