売価低減曲線による戦略的VE目標の設定

論文

中・長期的な商品に結びついたVE目標を正しく設定することは,VE活動を成功に導くための極めて重要な条件の1つである。

一昨年(1983年)に発表した研究論文「原価低減曲線による戦略的VE目標の設定」では,多くの事例の分析結果から導きだされた原価低減式により,あるべき製造原価の中・長期的な推移を予測し,これに基づいた戦略的VE目標の設定法を報告した。この報告では,あるべき製造原価,すなわち必要な利益を確保するための製造原価の基礎となっている売価低減曲線(Selling Price Reduction Ratio Curve=SPR曲線)についての検討事項は,紙面の関係でほんの一部しか触れることができなかった。

本論文では,まず売価低減曲線について触れ,ついでボストン・コンサルタント・グループの研究で有名になった経験曲線(Experience Curve=E曲線)または習熟曲線(Learning Curve=L曲線)と原価低減曲線(Cost Reduction Ratio Curve=CRR曲線)及び売価低減曲線との関係を明確にする。更に目標の設定を容易にするために年をパラメーターにした売価低減式を検討し,最後に原価低減曲線と売価低減曲線の低減率の差の考察から戦略的VE目標の設定法を述べる。

目次

  • はじめに
  • 1. 売価低減曲線について
  • 2. 原価低減曲線(CRR曲線)と経験曲線(E曲線)の関係
  • 3. 売価低減曲線(SPR曲線)と経験曲線(E曲線)の売価推移の比較
  • 4. 売価低減曲線及び年単位売価低減曲線の事例研究
  • 5. 戦略的VE目標の設定
  • むすび

発行年

1985年 VE研究論文集 Vol.16

著者

株式会社東芝
本社資材部VA推進担当部
小川政夫

カテゴリー

  • VEテクニック

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