論文
建築設備の設計では,発注者の要求事項を機能変換し,あるべき機能を見出すことで,その建物に必要な性能を効果的に構成させることができる。われわれは,このためにFAST技法を中心に,機能変換をすることが多いが,発注者の要求していることを正しく理解する努力を怠れば,いくらステップを正確にふんだVE活動を展開しても,決して良い結果は得られない。
過去の設計においても,計画時に発注者から聞いた要求事項を図面に反映させ,建物ができた時点で発注者の話を聞くと,『間違いではないが,考えていたものと少し違う』という事例を聞くことがある。このことは,建物ばかりでなく,オーダーメイドで作る場合,よく起こることである。
そこで,今回,VEステップのうちの「情報収集」に焦点を絞り,特に注意しなければならない項目を過去の例から分析し,情報収集方法のパターンを決めた。この方法により,誰が情報収集しても,同じレベルで要求事項のより正しい把握と,発注者のニーズを満たすことが可能となり,より高いVE効果を期待できるようにしたので,ここにその要点を発表する。
目次
- 1. はじめに
- 2. 設備設計の現状と機能
- 2-1 設備設計の役割
- 2-2 設備設計の手順
- 2-3 設備設計の現状
- 3. 設備設計における情報収集パターンの提案
- 3-1 問題点の整理
- 3-2 情報収集のジョブプラン
- 3-3 機能確認表とワークシート
- 4. おわりに
発行年
1984年 VE研究論文集 Vol.15著者
- フジタ工業株式会社
広島支店 建築部 設備課 - 鳥羽克己
カテゴリー
- VEテクニック
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