論文
特に家電業界における機能・コスト競争は熾烈を極めており,市場での競争に勝ち残るためには,商品企画段階のVEが重要であることはいうまでもない。
こうした認識により,各社においても0.5-LooK VE,更に0-LooK VEと,その手法も変化してきた。
しかしながら,VEステップ上からは商品の差別化や価格ランクの差は考慮されず,同ージャンルの商品群は,基本的には同ーの機能系統図によって把握することになる。
数年前の商品と現在の商品の機能系統図の差,あるいは10万円の商品と20万円の商品のコスト構成が,図のように大きな差があるにもかかわらず,機能系統図の差はほとんどないといって過言ではない。従って,その商品固有の特徴を出して行くためには,もっぱらアイデア発想のやり方にゆだねられるきらいがある。
新商品を企画し,開発設計を進める段階で,VEをより一層効果的に運用するためには,VEステップの過程の中で,商品差別化が自然に検討できるようにすることが望ましい。
こうした観点からVEを見直し,機能定義・機能評価のステップをより拡大して分析していく手法を『拡大VE』と表現し,展開してみる。
目次
- 1. はじめに
- 2. 拡大VEの考え方と背景
- 2-1 技術開発と商品ライフサイクル
- 2-2 顧客のニーズ
- 2-3 拡大VEの基本的な考え方
- 3. 拡大VEの展開
- 3-1 拡大VEの進め方
- 3-2 機能分類と機能定義
- 3-3 機能分類別機能整理
- 3-4 機能分類別機能評価
- 3-5 アイデア発想
- 4. 拡大VEの効果
- 5. 事例紹介
- 5-1 ビデオカメラの商品企画
- 5-2 アイデア発想と小集団活動
- 5-3 アイデア発想の例
- 6. おわりに
発行年
1984年 VE研究論文集 Vol.15著者
- 日本ビクタ一株式会社
ビデオ事業部技術部 - 田窪孝之
- 日本ビクタ一株式会社
技術推進本部品質管理部 - 笠原昭重
カテゴリー
- 開発設計とVE
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