論文
VEを推進する企業として,特にVE適用局面の拡大については,計画的に,これを実施していくことが必要である。当社においても,今まで,作業所VE・設計VE並びに管理部門としてのソフトVEなど,多くの分野に挑戦し,それなりの成果をあげてきた。また,トータルVEを,一層,効果的に実施するため,種々の戦略も投じてきた。VEは,無限の資産であり,われわれは,一層の効果を期待して,今回,更に,その適用分野の拡大をはかるべく,従来,実施されていなかった見積時におけるVEの積極的導入をはかるために,手順の要点をまとめることとなった。設計事務所など,他社が設計した建築物に対し,施工を請け負うという建設業の特異性のもとでは,見積時点は営業活動と相ともなって,仕事の流れとして最も川上に当るものであり,そのVE効果は,はかり知れないものが期待される。本論文では,前述のごとき,建設業特異の見積時の業務の進め方と,その問題点を分析し,この時点でのVEを効果的に導入するためのジョブプランを作成し,「今まで,実施困難とされていた見積業務へのVEの導入」を可能にした。以下に,要点を発表するものである。
目次
- 1. はじめに
- 2. 見積業務の現状と問題点
- 2.1 建設業における積算と営業の役割
- 2.2 積算部門の機能
- 2.3 設計図書に関する設備見積の問題点
- 2.4 施工計画に関する設備見積の問題点
- 3. 設備見積時のVEジョブプラン
- 3.1 設計図書検討のVEジョブプラン
- 3.2 工事取り合いのVEジョブプラン
- 3.3 揚重運搬のVEジョブプラン
- 3.4 総合価値検討のVEジョブプラン
- 4. 積算VE手法の具体的展開
- 4.1 発注者の要求事項と制約条件
- 4.2 コストの評価
- 4.3 問題点の抽出
- 4.4 改善案の効果
- 5. まとめ
発行年
1983年 VE研究論文集 Vol.14著者
- フジタ工業株式会社
大阪支店 設備部 設備課 - 川野一義
- フジタ工業株式会社
大阪支店 設備部 設備課 - 中井邦昭
- フジタ工業株式会社
大阪支店 設備部 設備課 - 会沢徹
- フジタ工業株式会社
大阪支店 設備部 設備課 - 佐藤明史
- フジタ工業株式会社
大阪支店 設備部 設備課 - 小谷誠治
カテゴリー
- VEの適用局面
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