バリューレイテイング手法 価値の計数化と改善個所の早期発見のための手法

論文

製品のVA活動を実施局面からみると,下流の段階,すなわち2nd Look VAになるに従い,制約条件が多く,実施効果が少なくなる。また,製品のライフサイクルからみると,成熟段階になるにつれて難しさを増す。このため,労力のかかる割には効果が小さい。

同じ製品のVAを何回も実施してくると,前の改善個所や問題個所が知り尽くされ,マンネリ化が生ずる。しかし,"改善の余地なし"といった抽象的な判断は,過去のVA実施回数や,独自の創造力に影響された個人的判断であることが多い。

一方,価値改善活動であるVAは,実施した結果,どの程度,価値改善がなされたかを知る必要がある。これを客観的に把握することができれば,明確な目標の下に,改善の余地があるか否か判断ができる。価値を客観的に把握するための方法としては,いろいろあるが,それぞれ一長一短がある。

本論文は,ユニット部品などの価値改善結果を,できるだけ客観的に把握するために,VA技法をまとめ上げたものである。また,本技法は,分析過程で,改善すべきポイントの発掘も可能である。

以下,本技法開発の背景,考え方,実践応用例について紹介する。諸賢のご批評をお願いする次第です。

目次

  • 1. はじめに
  • 2. 技法開発の背景
  • 2.1 VA行き詰まりの打破
  • 2.2 理想設計への挑戦
  • 2.3 価値基本式の展開
  • 3. 価値の基本式展開の意義
  • 4. 本技法ステップの解説
  • 5. 具体的改善事例
  • 5.1 製造VAの事例
  • 5.2 設計VEの事例
  • 6. 本技法の効果
  • 7. まとめ

発行年

1983年 VE研究論文集 Vol.14

著者

株式会社日立製作所
多賀工場 VAセンター
柴田高雄

カテゴリー

  • VEテクニック

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