論文
当工場は,エレクトロニクス製品を生産しているが,近年はマイクロコンピュータ,エレクトロニクス等の技術革新が激しく,それにともない製品のライフサイクルも次第に短くなってきている。この熾烈な競争に打ち勝つためには,新製品の開発,既製品の高機能化,小形化等のモデルチェンジを短期間に実施して,市場に展開していくことが,必須の条件となってきている。
VE活動を実施するにあたり,新製品の開発,既製品のモデルチェンジ等を効率的に実施し,かつ,大きな効果を得るために,機能展開のー技法として,ハードイメージ化によるFC分析技法(FC:Function and Cost)を開発,適用し,大きな効果を上げたので,以下報告する。
一般に機能分析は,VEの実施手順として広く採用され,その重要性も深く認識されているが,実際の運用面では,十分に実施されているとはいい難い。
その理由として
(1) VE活動メンバーは,一般的に製品をよく知っている設計者が主体となるため,対象製品の機能は,すでに頭の中で理解しており,いまさら面倒な機能展開はやらなくてもVEはできる,という考え方が支配的であること。
(2) 機能分析法は,対象となる製品の形,物といったハ一ド的イメージから遊離された考え方の方向性をもったため,特に設計者との相性が悪い。
等がある。
本開発技法は,ハード的な物(部品または装置)を機能と対応させてイメージ化し,機能展開を,より簡便に現実的なものとして実施しようとするものである。
目次
- 1. はじめに
- 2. ハードイメージ化によるFC分析技法の概要
- 3. ハードイメージ化によるFC分析技法のステップと解説
- ステップ1 動機づけ
- ステップ2 機能の定義
- ステップ3 機能・仕様・性能の設定
- ステップ4 ハードイメージ化
- ステップ5 機能表現
- ステップ6 機能群の系統化
- ステップ7 コスト計算
- 4. 既製品モデルチェンジへの適用
- 5. おわりに
発行年
1983年 VE研究論文集 Vol.14著者
- 日立エンジニアリング株式会社
電子制御設計部 - 古賀勇二
カテゴリー
- ソフトVE
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