論文
近年,コンピュータの著しい普及と高度な利用によって,そのソフトウェア開発量は年々増大し,かつ,その処理も複雑化してきている。
一般的にソフトウェアのライフサイクルコストの多くは,後戻り作業で,これは不完全なコーディングに起因しているものや,処理仕様書の品質バラツキと不良によるものが,ほとんどであるといっても過言ではない。
本開発技法は,これらの点に焦点を当てたものである。すなわち,処理仕様書が作られる要素である顧客要求の機能及び条件・制約などをまとめた「計画設計書」を分析し,従来,個人・個人の頭の中にある知識から,経験から,感情から等で作業していた不特定要素を除去してやることからはじまる。よって,本開発技法は,まず,IPO機能展開法(IPO:Input-Processing-Output)を作成して,ソフトウェアの機能を明確にし,このIPO技法により,最終的にビジュアル化された機能展開図及び機能系統図をベースにして作成される各種ドキュメントの工数及び技術レベルの評価・分析を実施できるようにして,実際作業の高効率化をはかろうとするものである。
IPO機能展開法,及びIPO技法による実際業務の評価分析法の2点について,その概要を説明する。
目次
- 1. はじめに
- 2. コンピュータソフトウェアの現状
- 3. コンピュータソフトウェアの特色
- 4. コンピュータソフトウェアの構築
- 5. IPO技法による機能展開法
- 6. IPO技法の考察
- 7. IPO技法による実際業務の評価分析法
- 8. まとめ
発行年
1983年 VE研究論文集 Vol.14著者
- 日立エンジニアリング株式会社
計算制御ソフト開発部 - 神長実
カテゴリー
- コンピュータ・ソフトウェアのVE
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