論文
産業の発展過程が成熟段階に達してくると,トータル的な考え方,進め方が,より重視されてくる。
VEにおいても,従来の製品を対象としたハードに加えて,間接部門の業務,管理システム等を対象としたソフトVEが活発になってきているのも,その現象の顕著な例の一つである。
ソフト対象は,改善効果の大きい「残されたVE領域」である。しかし,やってみると案外難しいのである。従来の製品を中心としたハードVEとは,多少趣を異にする。
現状分析をスタートにした2nd look的なアプローチでは,あまりに複雑で長時間を要し,効果もあがりにくいのである。
効果的なアプローチをするためには,いきなり分析したり,問題の細部に入り込むのでなく,取り組み対象の基本的問題に対応する仮説を設定し,その仮説を手がかりにして「あるべき姿」を描き,あるべき姿をとおして,現実的な解決をはかることが重要である。
本文において,経験にもとづいた仮説を設定し,その仮説を手がかりに,VEの科学的プロセスによって論理的,客観的にVE対象を改善していくソフトVEアプローチについて述べる。
目次
- 1. はじめに
- 2. ソフトVEの特徴と問題点
- 3. 仮説設定によるソフトVE展開とは
- 4. VEステップ
- 5. おわりに
発行年
1982年 VE研究論文集 Vol.13著者
- 松下電子部品株式会社
スピーカ事業部生産技術推進室 - 稲垣道雄
カテゴリー
- ソフトVE
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