製造VEにおける機能定義の考察

論文

VEの技法は,製品VEの基本ステップの応用展開により,製造の領域とか物流の領域への通用等,歴史的な発展の過程を経て,今日多くの対象領域へと拡大され,大きな成果を生みだしている。

本論文は,これらの応用展開の1つである製造VEをとりあげ,その中でも,VEの基本ステップの応用が難しいとされている機能定義に焦点をあて,その具体的方法を,実践レベルで提示するものである。

製造VEにおける機能定義の難しい点は,1. 製造機能をどのように表現するか(機能定義用語),2. 人およびその手段となる構成要素をどの程度まで細かく定義するか(機能定義の対象レベル),3. 機能を評価し,改善の方向性を把握するために,定義された機能をどのように整理するか,(機能系統図の作成)の3つにある。

はじめの1つは,主として改善のためのアイデア発想を容易にする表現が重要な要素となる。あとの2つは,VE対象の生産形態およびその特質によって異なるものであり,たとえば量産品の製造ライン,単品受注品の組立工場,装置産業的製造ライン等によって,それぞれに適するアプローチの方法を選択,決定しなければならない。以下,これらについて述べる。

目次

  • はじめに
  • Ⅰ 機能の定義
  • 1. 機能定義の概要
  • 2. 機能定義の具体的方法
  • (1) 製造ラインの形態別機能定義
  • (2) 製造ラインの構成要素の機能定義
  • (3) 製品VEにおける構成品レベルでの製造機能の定義
  • 3. 機能定義の対象レベルと時間の測定単位
  • Ⅱ 機能の整理
  • 1. 機能系統図作成の具体的方法
  • (1) 製造ラインの形態分析による機能整理
  • (2) 抽出機能による機能整理
  • (3) FASTダイアグラムによる機能整理
  • (4) 製品/製造,折衷型の機能整理
  • むすび

発行年

1981年 VE研究論文集 Vol.12

著者

東京芝浦電気株式会社
本社 資材部 VA推進担当課
小川政夫

カテゴリー

  • VEテクニック

購入

この論文はPDF版をご購入いただけます。
ご希望の方は「カゴに入れる」ボタンをクリックしてください。