論文
従来の価値工学の分野では,思考の幅を広げるために機能定義と機能系統図の方法が使われてきた。
しかし,これらの方法は,いずれも使ってみると,有効ではあるが,なにかあいまいなところ,ぎこちないところが残っており,それを取り除く技法の開発が各国で望まれてきた。
この論文は,そのあいまいなところ,ぎこちないところを取り除くため,日常なにげなくやっている思考のメカニズムを,新しい目で再分析・再組立し,それの手順化を試みたもので,次のような結果を得たものである。
(1) 「最も適切な基本機能の表現」をとらえる簡単な手順を確立し,そのメカニズムを明らかにした。(機能定義の方法の改善)
(2) 従来の作業分割構成WSSの考え方を一般化し,それを機能系統図の上に重ね合わせることにより,両方の考え方の改善をした。(機能系統図の改善)
(3) 価値の高い案を手ばやく合理的に創り出し選択するプロセスを再確認し,それを手順の中に含めた。
FBSテクニックとは,その手順につけた名称である。
目次
- 1. はじめに
- 2. 課題,機能定義,アイデア比較,分割構成の関係のイメージ図
- 3. 最も適切な機能表現を創り出し選ぶためには,どんな手順を使えばよいか?(機能定義の方法の改善)
- 4. 合理的なアイデアの創出とその比較,選定作業をするためには,どんな考え方の手順を使えばよいか?
- 5. 分割構成案の創出とその比較選定作業をするためには,どんな考え方の手順を使えばよいか?
- 6. 分割構成ステップのケースの拡大
- 7. この手法を従来製品の改善や,その新しい分野への売り込みに利用するには,どのように考えればよいのか?
- 8. まとめ
発行年
1980年 VE研究論文集 Vol.11著者
- 川崎重工業株式会社
航空機事業部BK117開発室 - 江崎通彦
カテゴリー
- VEテクニック
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