論文
低成長時代における商品戦略として,価値ある商品を短期間に開発し,市場に提供することは競争に打勝つための絶対条件である。新製品の開発は市場ニーズ,顧客要求等のマーケティングリサーチから開発方針を決定し,商品として生産されるまでには数段階のステップを通らなければならない。開発方針は商品の機能,売価,市場性,収益計画,技術的難易度,開発時期,開発予算,設備投資等の検討がベースとなって決定されているが,開発方針審議時点では,各項目に対する具体的裏付けに不安定要因が多く売価,収益計画の基本となる目標コストは企業経営,商品販売戦略からトップポリシーとして決定されるケースが多い。従って新製品開発ステップの最終段階において,計画の収益を確保するために目標コストの設定と,各ステップにおけるコスト管理を行う必要がある。
近年顧客ニーズが多様化し,市場におけるメリット競争が激化しているため,競合他社品を差別化できる高メリットの商品を,短期間に開発することは販売戦略上重要である。そのためには,開発ステップを最短のコースに設定し,重複した研究試験期間は避けなければならない。従って,開発VAをできるだけ源流に遡って実施するとともに,各ステップに応じたVAを投入することにより,目標コストを管理することが必要になってくる。
目次
- 1. はじめに
- 2. 新製品開発ステップと開発VAの投入
- 2.1 調査企画段階における0 Look VAの必要性
- 2.2 目標コストの設定と0 Look VA
- 3. 試作研究段階における1st Look VA
- 4. 量産試作段階における2nd Look VA
- 5. 開発VAにおける見積コストの確定度評価
- 6. まとめ
発行年
1979年 VE研究論文集 Vol.10著者
- 株式会社日立製作所
多賀工場VAセンター - 持田稔也
カテゴリー
- 開発設計とVE
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