論文
4月になると,各社とも社長が新入社員に対し訓示を行う。入社してからの心構えが主なる内容であるが,中には企業目的,行動指針も「製品供給の義務」「人類の幸福・福祉への貢献」更に,直接的に「利潤の追求」などと示される。いずれも社内事情を反映したもので,企業経営を左右する内外部要因はあまりに多いと言えよう。
こうした状況におけるVA活動を考えてみると,各企業のおかれた状況において何をやるべきか,その活動の位置付けを明確にせねば「何んでもVA」となってVA活動自体も焦点を失い,盛り上がらないものになる。
このような観点から,製造業である当社は下記する理由によって製品・製造VA,部品VA,物流VAそれもファーストルックVA (1st look VA) に的を絞り,開発活動の中にVA活動を仕組化した。本稿ではその一端を紹介し諸兄の批判を仰ぎたい。
(1) 家電商品はユーザーの巾が広く要求が多種多様であり機能の選択が厳しい。
(2) 競合会社が多く,適正な市場価格における差別化した商品でないと売れない。
(3) 製造原価に占める直接材料費の割合が高く,構造が決定される設計段階に,衆知を集める必要がある。
(4) VA導入後の歴史が浅く,金額評価できるVAが全体のコンセンサスを得やすい。
(5) VA活動がダイレクトに企業業績に反映され,参加者のモラルアップにつながっていく。
目次
- 1. はじめに
- 2. 当社家電商品の概況
- 3. VA推進組織の確立
- 4. 商品開発フローとVA適用
- 5. 開発VAの仕組化
- 5.1 要求事項の把握
- 5.2 構想確認-要求事項の変換作業-
- 5.3 構成化(Ⅱ)
- 6. 結言
発行年
1979年 VE研究論文集 Vol.10著者
- 三菱電機株式会社
静岡製作所 製造管理部生産技術課 - 高田弘明
カテゴリー
- 開発設計とVE
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