論文
景気の低迷と円高とによって,わが国の経済は低成長の時代に入り,総需要の減退から深刻な景気の悪化をまねくに至って,各企業間の競争は,ますます激烈をきわめ,その環境は,非常に厳しい状況下におかれている。
このような状況にあって,企業の目的である利益確保をはかるため,各企業はVAを単なる改善の手法としてのみでなく"経営戦略"の柱として位置づけ,全組織を結集して取り組み実績を上げている。
しかし,現在,新製品開発のためのVAアプローチ技法はあっても,それが新製品企画の市場調査や新規機能の発掘・拡大のツールとしては生かされていないのが実体のようである。それは,まずVAの考え方の中心をなす機能分析が,うまく生かされていないからである。これは使う側での勉強不足のために"機能"についての考え方に幅がなかったし,柔軟な考えが持てなかったためと思われる。
これらの背景をもとに,ある分野における商品に関しては,製品企画への実用度の高い手法の開発と確立を行ない,その有効性が確認されたので,ここに紹介する。
本手法は,新製品の中でも,現製品をもとに大幅に改善されるものを対象としたものであり,その主な内容としては<情報収集にもとづく顧客要求機能を,そのもっとも関係の深い各機能分野にとり入れ,使用者機能及びメリットを開発していく-川下型開発法>と<各機能の分解・組合わせによる方法と基本機能から使用者機能を展開していく-川上型開発法>をドッキングして展開する,商品企画に対する機能分析・分解・組立手法である。
目次
- 1. 緒言
- 2. 新製品の開発法とその問題点
- 3. 新製品開発におけるVAの考え方と手法導入
- 4. 新VA(New-Value Product System-New-VPS)の基本的考え方
- 5. New-VPSによる新製品企画の手法導入
- 1st-Step ; 情報収集(各要求事項の収集)
- 2nd-Step ; 機能分析と分解組立
- 3rd-Step ; 体系化-機能系統図
- 4th-Step ; アイデアの発想・具体化
- 6. 結言
発行年
1978年 VE研究論文集 Vol.9著者
- 東京芝浦電気株式会社
資材部 VA推進担当課 - 相田敬明
カテゴリー
- 開発設計とVE
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